KNT-CT、4期ぶりに営業黒字、一方で来期は減収減益の見通し、指名停止も大きく影響か

KNT-CTホールディングスが2023年6月1日発表した2023年3月期連結決算は、本業の儲けを示す営業利益が114憶円(前期は77億円の赤字)だった。全国旅行支援の追い風を受けた国内個人旅行、復活した修学旅行、コロナ関連業務のBPO事業などが好調で、4期ぶりの黒字となった。

売上高は前年同期比80.2%増の2522億円に達した。ただ、連結子会社の近畿日本ツーリストによるコロナ関連の過大請求事案により、約14億7000万円を減額。経常利益は121億円(前期は39億円の赤字)、当期純利益は、過大請求事案に伴う調査費用で特別損失9億円を計上したこともあり、118億円(前期は57億円の赤字)となった。

旅行外事業が収益押し上げる

決算会見でKNT-CTホールディングス代表取締役社長の米田昭正氏は、「(過大請求について)多大な迷惑、心配をおかけしていることを深くお詫び申し上げる。信用回復に全力を尽くしたい」などと謝罪した。

旅行事業と旅行以外事業の内訳については、2021年度は旅行事業と旅行外事業がそれぞれほぼ拮抗する700億円程度、2022年度は旅行事業1600億円に対し、旅行外事業は900億円弱に上ったが、2023年度はコロナ関連事業がほぼ消失すると想定している。なお、旅行事業の粗利益率約18%に対し、旅行以外事業は30%で、今後の需要消失による影響が大きいとみられる。

これらにより、2024年3月期連結決算は、売上高が前期比1.6%減の2482億円、営業利益が同69.3%減の35億円、経常利益71%減の35億円、純利益74.6%減の30億円の減収減益を見込んでいる。

来期は指名停止が大きく影響

KNTの黒字は、2018年度以来、4期ぶりとなる。決算会見に出席した専務取締役(経理部担当)の三宅貞行氏は、「2019年度終盤に発生したコロナの影響が甚大で、個人営業の多店舗閉鎖、希望退職、ウェブ移行によるパンフレット費用の削減、親会社の近鉄グループホールディングスらからの約400億円調達など、さまざまな構造改革に取り組んだ」と振り返った。その結果、販売管理費は2018年度の695億円に対し、2022年度は431億円に圧縮。「約270億円のコスト削減が、今期の営業利益改善につながった」(三宅氏)。

海外MICEをはじめ、足元の旅行需要は回復傾向にあるが、今後は「信頼回復」に全力を尽くす。KNT-CTホールディングスに「コンプライアンス改革本部」を設置してグループ全体の組織風土改革を図るほか、近畿日本ツーリストに「法令倫理管理センター」を置き、今後、過大請求事案に伴って提言される再発防止策にも取り組む。

また、個人旅行事業は2023年4月新設の近畿日本ツーリスト ブループラネットがウェブ販売の専門会社としてオンラインシフトを加速する。クラブツーリズムはタビナカに多くの自由時間を組み込んだ商品の展開など、さまざまな商品展開を図る。

一方で、法人旅行は一連の問題により見通しは厳しい。米田氏は「修学旅行の指名停止などにより約3年間は厳しい状況が続くと考えている。ただ、教育旅行も探求学習をはじめとした進化が進んでおり、新たな形を提案できるよう頑張りたい」などと語った。

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