JTB実店舗に来店した顧客のオンライン行動とは? ヤフーの「来店計測」を活用して推進するOMO戦略と、その成果を聞いてきた(PR)

デジタルマーケティングに求められるのは、もはやブランディングや販売・集客だけではない。消費者の情報収集や消費行動がデジタルに移行しているなか、実店舗やコールセンターなど、リアルの販売チャネルで戦う旅行会社にとっても重要な意味を持つようになった。

大手旅行会社JTBでは、OMO(Online Merges with Offline)戦略を推進。オンライン販売の強化だけでなく、店舗や電話対応など総合旅行会社として培ってきた「人の価値」を活かし、旅行購買における消費者の実感価値の向上を目指している。OMOとは、オンラインとオフラインを融合し、顧客が購入チャネルの違いを意識せずにサービスを受けられるようにする考え方だ。

そのために必要になるのが、顧客のオンライン上の行動と実店舗への来店の相関関係を把握すること。そこでJTBは、ヤフーが提供する「Yahoo! JAPAN 来店計測」を使い、実態把握を進めた。そのねらいと成果を担当者に聞いてきた。

JTBのOMO戦略とは?

JTBが旅行商品のオンライン販売と、強みである実店舗(オフライン)を融合させる「オムニチャネル戦略」を打ち出したのは2015年のことだ。その後、急速にデジタル化が浸透したコロナ禍を経て、この戦略はJTBの総合力を生かすためのOMO戦略へと進化している。

JTBのWeb販売事業部 マーケティング課 販売担当課長の河野洋平氏は、「以前のオムニチャネル戦略は、店舗とウェブの壁を取り払い、お客様がどの販売チャネルを通しても同じ行動ができるようにするのが目的だった。それに対し、現在のOMO戦略は、ウェブを起点にコミュニケーションをとり、消費者が必要とする最適な販売チャネルとサービスを提供することを目指している」と説明する。

消費行動の多くの起点がオンラインに移行しているが、「ウェブの世界でのJTBの想起は、まだまだ弱い」(河野氏)というのは、JTBの課題のひとつ。一方でJTBには、店舗や電話で消費者の要望や悩みに長年対応してきた、「接客力」を有するという強みがある。この強みを最大限に発揮し、JTBが持ついずれの販売チャネルでも、消費者の旅行の購入体験を向上させようというのが、JTBのOMO戦略の柱だ。

「消費者はウェブ上で様々な旅行商品の内容を知り、比較検討をすることに慣れてきた。しかし、閲覧した情報が本当に正しいか、選んだ商品が本当に自分にあっているものかどうか、判断できない場合もある。例えば、コロナ禍明けの久しぶりの海外旅行や、心配事が多い子供連れ旅行、絶対に失敗したくないカップルの旅行などを中心に、必要な情報を提供したり、選択の迷いを解消して背中を押してあげたりすることが必要。それが旅行会社の本質的な価値でもある」と、河野氏は話す。

一方で、来店を促進するために適切な広告を打ち、OMO戦略を効果的に展開するには、来店者が何を思って店舗に足を運ぶのか、把握する必要がある。「店舗ご利用者様のウェブ上の行動を可視化することで、来店する動機を把握できる。裏返せば、それがオンラインにはないリアル店舗の価値といえる」(河野氏)。

これまでも、来店者にはアンケートなどで、店舗を訪れる理由を聞いてきた。しかし、それだけでは見えない部分があると河野氏は話す。「例えば、消費者がウェブ上で、どんな観点で旅行商品を調べていたのかは、アンケートだけでは見えてこない」(河野氏)。

こうしたJTBのOMO戦略のねらいと課題感に対して、ヤフーから提案されたのが「Yahoo! JAPAN 来店計測」(以下、「来店計測」)だった。河野氏は、「『来店計測』では従来のウェブ広告のクリエイティブやターゲットを活かしながら、現状把握から施策立案まで必要なデータが一気通貫で手に入る。やらないという選択はなかった」と振り返る。

JTB Web販売事業部 マーケティング課 販売担当課長の河野洋平氏

「Yahoo! JAPAN 来店計測」の仕組みとできること

ヤフーの「来店計測」は、ソフトバンクWi-Fiスポットのデータ、あるいはヤフーの位置情報を活用し、来店の実態を解明できるようにしたマーケティングソリューション。JTBでは、ソフトバンクWi-Fiスポットデータでの来店計測を実施した。店舗は路面店だけでなく、複数フロアのあるショッピングモール内への出店も多いことから、モール内で他社店舗と上下階や左右で近接している場合でも来店者を識別しやすいソフトバンクWi-Fiスポットのデータによる計測を選んだ。

ソフトバンクWi-Fiスポットデータで計測できるデータは3つ。(1)ヤフーに出稿した広告に接触したユーザー群の来店を検証する「広告来店計測」、(2)自社サイトを訪れたユーザー群の来店を検証する「ウェブサイト来店計測」、(3)広告経由の有無を問わず、すべての来店を検証する「総来店計測」だ。

(1)では、どのデジタル広告を見て来店したのかがわかるため、次の広告展開時にはその結果を活かし、店舗への来店に適した客層の設定やクリエイティブの改善を図ることができる。(2)では、自社サイトのどのページを見て来店したのかがわかるため、サイトの導線やデザインの改善を図る検討ができる。(3)では、ウェブサイトを見ていない人も、それぞれのデモグラフィックを含めて計測するため、広告施策とウェブ施策の効果検証ができる。

JTBは2022年10月から12月にかけて、九州と西日本エリアを中心に店舗内に5分以上滞留した人をターゲットとして「来店計測」を実施。すると、従来の手法である来店者アンケートとは「見える結果が、まったく違った」(河野氏)という。

「来店いただいた方々の実際のウェブ上の行動と(個人を特定できない形で)掛けあわせて分析できるため、圧倒的な違いが出たのだと思う。来店の動機となった広告や商品情報が分かるということは、来店相談の裏にあるお客様のインサイトが見えるということ。これはウェブ広告を発信するうえでも、非常に重要なポイントになる」(河野氏)。

ヤフーの「来店計測」。2つの計測方法があり、測定したい店舗の特徴や目的で選ぶことができる

想定とは違った、店舗利用者の本当の姿

成果のひとつが、オンライン上の広告や自社サイトを起点にした来店が確認できたこと。想定されてはいたことだが、データの裏付けで相関関係の存在を可視化できた意味は大きい。

特に河野氏が「新たな発見だった」と驚いたのが、オンラインと店舗の関係性が想定以上に強いことだ。「以前は、ウェブのご利用者様と店舗ご利用者様は動線が違うと考えていた。店舗ご利用者様は『とりあえず店で相談しよう』と考え、ウェブのご利用者様は『店舗を利用せずウェブで完結したい』と考えるというのが、それまでの想定だった」(河野氏)。

ところが、「来店計測」の結果では、オンライン上でJTBの商品や広告に接した上で来店に至るケースが、想定よりも多かった。「計測期間中の店舗ご利用者様も、表面的にはいつものお客様と同じように見えていた。店頭集客においても、ウェブ上の接点がいかに重要なのかを再認識した」と河野氏は説明する。

世間一般でいわれているような「リアル店舗を利用するのは、オンラインでの旅行予約に躊躇する客層」といったイメージは、少なくとも旅行分野に関しては先入観に過ぎなかった。お客様が求めているのは、より自分が望む旅行を実現するための「手配力」と選んだ商品への「確信」だ。

「そんな方々に、『近くのJTBのお店で相談を』とプッシュすれば、十分に反応があり得ると確信できた」と河野氏は続ける。

「来店計測」で総来店者に対して広告接触者の客層の違いも分かる

このほか「来店計測」の結果からは、飛行機や新幹線を利用するツアーなど、条件の選択肢が複雑な商品を閲覧した人や、ファミリー向けの旅行商品や情報に触れた人の来店が多く見られたという。

現在、JTBでは、ヤフーの協力のもと「来店計測」で得た結果について詳細な分析をしているところ。さらにヤフーが持つ膨大なデータと「来店計測」のデータをクロス分析することで、オンラインで予約購入が完結する商品や、店舗での相談・購入が望まれる商品・客層の傾向が鮮明になり、広告出稿に有意義となるデータ分析が可能になるという。

「来店計測」で広告接触やウェブ情報接触など、メニュー別の結果も一目瞭然にわかる

費用対効果の説得力が増す

このほか河野氏は、社内に対しても貴重なフィードバックができることに期待している。

「これまでは基本的に、販売促進効果をベースにウェブ広告の予算を確保していた。それが『来店計測』を用いることによって、可視化できたウェブ起点の来店促進効果を加味した費用対効果の算出結果が、説得力を持つようになる。これにより、ウェブ広告の入札もより積極的な姿勢で臨めるようになり、有効な広告を出稿する余地を広げられる」(河野氏)。

JTBでは、まず九州および西日本地域を中心に「来店計測」を実施したが、今春以降は首都圏を含む全国に対象を拡大していく方針。あわせて、ヤフーのデータを利活用した新たなサービス「Yahoo! Data Xross」の活用も検討している。

「ヤフーのメディア力やリーチ力は非常に大きく、膨大なオーディエンスから得られるデータを活用できるのが魅力。今後もヤフーのマーケットデータを活用して現状認識の確度を高め、密に意見交換をしながら施策を練っていきたい」(河野氏)と話している。

広告:Yahoo! JAPAN

  • 対応サービス:Yahoo! JAPAN 来店計測
    ※「Yahoo! JAPAN 来店計測」は、個人を特定することができない情報(統計情報)をもとにレポートを作成し提供しております。計測活用データについて、詳細はこちらをご覧ください。
  • お問い合わせ:https://marketing.yahoo.co.jp/contact/
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記事:トラベルボイス企画部

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