ジャパン・ツーリズム・アワード2024発表、最優秀賞は「沿線まるごとホテル」、駅と地域をつないだ世界観、課題を価値に転換

日本観光振興協会、日本旅行業協会(JATA)、日本政府観光局(JNTO)は、「第7回ジャパン・ツーリズム・アワード」の各賞を決定した。最優秀賞である「国土交通大臣賞」には、沿線まるごと社の『過疎高齢地域での「沿線まるごとホテル」プロジェクト』が受賞した。同プロジェクトは、「学生が選ぶジャパン・ツーリズム・アワード」も同時受賞した。

「沿線まるごとホテル」プロジェクトは、駅と周辺の地域コンテンツを面にして地域全体を1つのホテルと見立てた世界観として、空き家はホテルの客室に、無人駅はホテルのフロントになど地域課題を顧客価値へと転換し魅力に繋げている点が高く評価された。

沿線まるごとホテル(報道資料より)優秀賞は3団体、かまいしDMCの震災復興など

優秀賞である「観光庁長官賞」は、かまいしDMC、コラレアルチザンジャパン、トラベリエンスの三団体が受賞した。

かまいしDMCの『震災復興とゼロからの持続可能な観光地域づくりの実践~まち全体を屋根のない博物館に~ 』の取り組みは、持続可能性を徹底的に追求しつつゼロから観光地を作り上げたDMOのモデルとして評価。

コラレアルチザンジャパンの『観光客と職人の新たな付き合い方」による伝統工芸の再興 』は、職人を生かした多角的な観光まちづくり、空き家の解消や伝統工芸の担い手獲得への期待など多様な経済社会効果が出ていることが評価された。

また、トラベリエンスの『世界中の旅行者と世界中のツアーガイドをマッチングする観光ツアーマーケットプレイス「GoWithGuide.com」 』は、個人需要に対応して全世界のツアーガイドとのマッチングによって、旅行者の満足度を高め、ウォーキングや公共交通機関などの利用で環境に配慮している点が評価された。

持続可能な観光賞(UNWTO)、観光地域経営モデルとSDGsに

「持続可能な観光賞(UNWTO)」では、南丹市美山観光まちづくり協会が『来訪者と地域住民が共に守り育てる持続可能な観光 』で受賞。持続可能な観光地域経営のモデルのほか、DMO組織が受託事業範囲を拡大して実力を付けてきていることも評価された。

また、ベルトラの『「世界一サンゴと人にやさしい村で学ぶSDGs」大人の修学旅行 in 恩納村 』も受賞。恩納村で抱えている課題を観光を通じて見つめ直し、解決しようとする姿勢が評価された。 

審査委員特別賞は10団体、高付加価値ツアーからジビエ観光まで

「審査委員特別賞」は以下の10団体が受賞した。(団体名:商品名/審査評価)

  • 北海道宝島旅行社:『北海道内各地域の持続性に寄与する、富裕層インバウンド観光客向け高付加価値オーダーメイドツアーサービス』/地域の既存かつ身近な資源を活用し、メイン観光地以外の地域に外貨獲得の機会を創出した。
  • 松久信幸氏:『全5大陸60店舗以上の NOBU・Matsuhisa ホテル・レストランを通じた日本文化の海外発信 』/日本食をインバウンドのキラーコンテンツにし、インバウンド振興の基盤を形成した。
  • MOMIJI:『ジビエを通して命を学ぶ、「大槌ジビエツーリズム」~官民協働で取組む大槌ジビエソーシャルプロジェクトより~ 」/ハンターとしての知見を観光資源化し、SDGs教育やガストロノミー体験など多方面で効果が波及した。
  • ナビタイムジャパン:『広域周遊観光促進を支援するソリューション「NAVITIME Travel Platform」』/旅行プラン作成の簡易化や施設等のプロモーション手段としての活用、埋もれた旅先発掘の可能性などが期待される観光DXの有力なツールとして評価された。
  • byFood.com:『ガストロノミーツーリズムを通じて日本の伝統継承を 』/高付加価値化に向けた取り組みや、海外への発信能力の高さを評価。
  • 日本酒蔵ツーリズム推進協議会:『酒蔵ツーリズムの取り組み』/日本の酒を通して幅広いステークホルダーが観光を成長戦略のエンジンとした。
  • 田辺市熊野ツーリズムビューロー:『「Responsible, Respectful, Realizable」 新たな価値創造で聖地熊野を持続可能な観光地へ  』/新機軸としてガイド育成や子供の環境教育を推進した。
  • ANA NEO:『バーチャルトラベルプラットフォーム』/スマホで簡単に利用できるプラットホームとして国や自治体とコンテンツと連携した。
  • スペイン政府観光局:『ユニバーサルツーリズム 』/ユニバーサルツーリズムに取り組む国として受け手側が一体となってサポートした。
  • JTB仕入商品事業部 団体部:『マラマ・ハワイ 』/ハワイ観光局のマラマ・ハワイに応えた取り組みを評価した。

このほか、国内・訪日領域18団体 海外領域2団体が入賞した。

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