米・アナハイム、大谷選手の効果で日本人旅行者が増加、滞在日数も増加、新たなスポーツツーリズムのハブに

米カリフォルニア州アナハイムへの日本人旅行者はコロナ後、順調に回復している。セールスミッションの一員としてこのたび来日したアナハイム観光局ツーリズム・ディベロップメント・マネージャーのマイケル・ヤング氏は、その手応えを示し、今後さらなる日本市場の拡大に期待を寄せた。

日本人旅行者増加の大きな原動力となっているのが、ロサンゼルス・エンゼルスで活躍する大谷翔平選手の存在だ。ヤング氏は「その観光へのインパクトは非常に大きい」と驚きを隠さない。大谷効果の正確な統計は算出していないと前置きしながらも、ヤング氏は「明らかに日本人旅行者の滞在日数が伸びている」と明かす。

また、アナハイムで「ヒルトン・ガーデン・イン・アナハイム・ガーデングローブ」「ハンプトン・イン&スイーツ アナハイム・ガーデングローブ」「ホームウッド・スイーツ・アナハイム・メインゲート」の3軒を運営するヒルトンのエリア・セールス・マネージャー、ポール・グウー氏は「日本人旅行者は明らかに増えている。以前は、1、2泊程度だったが、現在は1週間連泊する日本人宿泊者もいる」と大谷効果を口にする。

米国・カナダ・メキシコの3カ国で共催される2026年のFIFAワールとカップでは、ロサンゼルスも開催都市になり、2028年にはロサンゼルス五輪が開催されることから、ヤング氏は「アナハイムでもスポーツツーリズムが盛り上がりを見せるだろう」と期待を込めた。

また、今回のセールルミッションを共催するデルタ航空も、ロサンゼルスを拠点に活躍する日本人五輪メダリストの五十嵐カノア選手(サーフィン)と堀米雄斗選手(スケートボード)のオフィシャルエアラインとなっており、ロサンゼルス五輪に向けて同航空の羽田/ロサンゼルス便の訴求を強めている。

アナハイムを象徴するもう一つの観光コンテンツである「カリフォルニア ディズニーランド・リゾート」への日本人来園者の回復も目覚ましい。ウォルト・ディズニー・ジャパンのトラベルビジネス・ディベロップメント・マネージャー本間美奈子氏は「コロナ禍で来園できなかったコアなディズニーファンを中心に日本人来園者が増加している」と明かす。また、エンゼルス戦の観戦に合わせて、来園する日本人旅行者も多いようだ。

スポーツツーリズムを含めて、アナハイムは新しいツーリズムを目指している。リチャードニクソン・ライブラリー&ミュージアムのジェーン・チャン氏は「ハリウッドとは異なる新たな観光のイメージを打ち出すデスティネーションにしていきたい。次世代の観光ハブとして、特に若者に向けてアピールしていきたい」と意欲を示した。アナハイムの観光の魅力を説明するアナハイム観光局のヤング氏 

10社・団体が来日、南カリフォルニアの観光の拠点に

今回のセールミッションには、アナハイム観光局をはじめ、「ガーデン・グローブ市」「サウス・コースト・プラザ」「ウェスティン・アナハイムリゾート」「カリフォルニア ディズニーランド・リゾート」「ヒルトン・ガーデン・イン・アナハイム・ガーデングローブ」「ハンプトン・イン&スイーツ アナハイム・ガーデングローブ」「ホームウッド・スイーツ・アナハイム・メインゲート」「リチャード・ニクソン・ライブラリー&ミュージアム」「グレート・ウルフロッジ・ガーデングローブ ‒ アナハイム」が参加。現地の最新情報や観光素材を紹介した。

ヤング氏は「No.1アクティビティはショッピング。このほか、ビーチからテーマパークまでさまざまな体験が楽しめる。アナハイムを拠点にすることで南カリフォルニア全体を楽しんでもらえるところが魅力」とアピールした。

また、デルタ航空は、毎日運航の羽田/ロサンゼルス線の利便性を強調したほか、改装プロジェクトが今年8月末に完了したロサンゼルス国際空港「Delta Sky Way」、デルタ・ワン専用のチェックインエリア「Delta One at LAX」、昨年7月にオープンした羽田空港の「デルタ・スカイクラブ」などを紹介した。

なお、デルタ航空は今年10月29 日に羽田/ホノルル線にデイリー運航便で新規就航する。

みんなのVOICEこの記事を読んで思った意見や感想を書いてください。

観光産業ニュース「トラベルボイス」編集部から届く

一歩先の未来がみえるメルマガ「今日のヘッドライン」 、もうご登録済みですよね?

もし未だ登録していないなら…