ホテル満足度調査2023、価格上昇が満足度に大きく影響、「朝食」の季節感や地産食材で大きな差

国際的なコンサルティング会社J.D.パワー・ジャパンは、2023年ホテル宿泊客満足度調査の結果を発表した。この調査は今回で17回目。2019年以来、中断していた「アップスケールホテル部門」の調査を再開し、「ミッドスケールホテル部門」「エコノミーホテル部門」の３部門での調査を行った。

宿泊客満足度は、前々回調査（2021年11月発表）と前回調査（2022年11月発表）ではコロナ禍前の2019年を大きく上回っていたが、今回は前回調査に比べ、「ミッドスケールホテル部門」ではマイナス30ポイント、「エコノミーホテル部門」ではマイナス19ポイントと低下が見られた。

特に「料金」の評価の低下幅が最も大きく、「ミッドスケールホテル部門」でマイナス36ポイント、「エコノミーホテル部門」でマイナス27ポイントとなった。今年は「ミッドスケールホテル部門」で平均価格が約2200円、「エコノミーホテル部門」で約1400円の上昇が見られ、両部門において調査開始以来、最高値の料金水準だった。

また、宿泊客数増加が起因と見られるスタッフ対応品質、客室清掃の質などのサービス水準の低下も見られ、コストパフォーマンスが悪くなっていることが満足度低下に直結している様子が伺えた。

一方で、コロナ前2019年調査と比較すると、宿泊客満足度はいずれの部門においても10ポイント以上、上回っている。その要因の一つが「料飲部門」の評価の高さ。特に朝食については、「地域の特産や季節を感じられる料理・飲み物の提供があった」と回答した宿泊者が「アップスケールホテル部門」や「ミッドスケールホテル部門」では半数を超えており、全部門において、提供があった場合の朝食満足度は、なかった場合よりも100ポイント以上、上回った。

一方で、現状の朝食の喫食率は「アップスケールホテル部門」で67％、「ミッドスケールホテル部門」で53％、「エコノミーホテル部門」で63％と、いずれも2019年を５ポイント以上、下回った。

報道資料より各部門の総合満足度トップ3は以下の通り。

アップスケールホテル部門

1. ヒルトン
2. 京王プラザホテル
3. ホテル日航

ミッドスケールホテル部門

1. OMO by 星野リゾート
2. リッチモンドホテル
3. ベッセルイン／ベッセルホテル／ベッセルホテルカンパーナ

エコノミーホテル部門

1. スーパーホテル
2. ヴィアインホテル
3. アパホテル