観光白書2013をよむ(3):東日本大震災後、東北は回復に遅れ

平成25年版の観光白書(「平成24年度観光の状況」及び「平成25年度観光施策」)では、2012年の観光の状況について、東日本大震災からの復興状況と各地方運輸局等が見た地域の状況が記述された。国内観光は全般的に上向き傾向にあるが、回復状況は地域によって異なっている。

東北の2012年の延べ宿泊者数は、前年比3.9%減、2010年比2.1%減。外国人は前年比33.3%増だが、2010年比は54.9%減で、震災前の水準を大幅に下回っている。観光客中心の宿泊施設に限ると、延べ宿泊者数は2010年比で約20%減、訪日外国人の延べ宿泊者数は、約40~80%減で各月が推移しており、全国と比較して東日本大震災からの回復が遅れている状況だ。

こうした中、2012年度は東北への旅行需要喚起を目的に、2012年3月からの約13ヶ月間、東北全体を博覧会会場と見立てた「東北観光博」の実施や、「東北・北関東への訪問運動」を展開。東北観光博期間中の東北地域の延べ旅行者数は約4970万人回、このうち観光目的の旅行者は約2570万人回で前年比約310万人回増加した。東北観光博をきっかけとした旅行者の経済波及効果は、約840億円に及ぶとしている。

一方、2010年以降も増加を続けていたのが沖縄だ。延べ宿泊者数は前年比5.9%増、2010年比2.4%増。外国人も前年比35.0%増、2010年比54.2%増と順調に推移した。LCCや外国航空会社の新規就航・増便等で、沖縄県の観光入込客数は前年比7.8%増、そのうち外国人客は34.5%増と増加。2013年3月に開港した新石垣空港には国際線ターミナルも整備しており、国内外の新規路線の就航や増便が見込まれている。

観光白書2013(1): 2012年の観光状況 ー国内宿泊5,2%増の1、7億人、海外は過去最高観光白書2013(2): 2012年世界の観光市場と日本 -観光支出で中国が初のトップに

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