アジア13都市の中間層が訪日旅行に踏み切れない理由、「滞在費・渡航費が高そう」が10都市で首位に、マニラは「ビザ」が47%  ―日本総研

日本総研は、2013年11月にアジア主要13都市の中間層以上を対象とした消費動向調査を実施。このほど「2013年度 アジア主要都市コンシューマインサイト比較調査結果」として発表した。それによると、8都市(デリー、ムンバイ、ジャカルタ、ハノイ、ホーチミン、クアラルンプール、マニラ、バンコク)の60%以上が「3年以内に日本への観光旅行意向がある」と回答。一方で、中国の3都市(北京、上海、広州)とクアラルンプールでは「意向はあるが踏み切れない」とする回答が約3割を占めた。

日本への旅行に踏み切れない理由は、「滞在費が高そうだから」とする回答が最も多く、マニラとクアラルンプールでは70%以上、ベトナム2都市(ハノイ、ホーチミン)やシンガポール、バンコクでも50%を超えた。同時にこれらの国では「渡航費(飛行機代など)が高そうだから」とする回答も過半数を占め、コスト面での懸念が浮き彫りとなった。一方で、中国3都市(北京、上海、広州)では「放射性物質による悪影響が心配だから」とする回答が2~3割、マニラでは「VISAの取得が難しい・面倒」が47%となった。

日本旅行に踏み切れない理由の一覧表は以下のとおり。

日本総研:発表資料より

なお、各国の世帯年収をみると、東京とシンガポールでは500万円以上の世帯が約5割と最も多く、インド2都市(デリー、ムンバイ)、ジャカルタ、ベトナム2都市(ハノイ、ホーチミン)では200万円未満世帯が中心。一方で支出事情をみると、東京のみ「衣食住支出」が54%と過半数を超えており、他のすべての都市では衣食住支出は4割程度にとどまることから、東京在住者の収支バランスが特徴的であることが示されてた。

各都市の世帯収入分布は以下のとおり。

日本総研:発表資料より

さらに、各国の耐久消費財の所有状況をみると、すべての都市の7割以上の家庭でパソコンや「冷蔵庫・洗濯機・薄型テレビ・エアコン」といった家電製品を所有している。耐久消費材の新規購入意向では、中国ではパソコンの買い替え購入意向が約4割と多く、他の都市の約2倍を示している。その一方で東京では「特に当てはまる(購入意向に沿う)ものがない」との回答が4割と他の都市の2~8倍の多さに。耐久消費財の購入意欲の低さにおいても、東京の特徴が示唆される結果となった。購入意欲についての一覧表は以下のとおり。

日本総研:発表資料より

この調査は、2013年11月に世界13都市(東京、上海、北京、広州、ムンバイ、デリー、シンガポール、クアラルンプール(スランゴール州含む)、バンコク、ジャカルタ、ホーチミン、ハノイ、マニラ)を対象にインターネット上で実施したもの。集計対象は、年間可処分所得が5000米ドル以上の中間層世帯に住む20~40代男女7187名。所得層区分は経済産業省の「通商白書2009」の分類に準じた。

(トラベルボイス編集部)

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