ルフトハンザ航空で進む効率化、グループ3社の部門統合と投資継続、日本路線にはA350投入も視野

ルフトハンザ・ドイツ航空が変革の時期を迎えている。LCCの台頭などで航空業界の競争激化が進む中、同社は経営の効率化やPtoP(Point to Point:ハブ空港を経由しない路線)で価格競争力を持つユーロウィングの事業の好調さ、燃料費の低下などによって2015年は大幅な増益となる18億ユーロの利益を残している。昨年、新たな日本支社長に就任したドナルド・ブンケンブルク氏が今後の計画を語るメディア発表会を行った。

LHグループは、2016年1月1日に傘下にあったオーストリア航空、スイス・インターナショナル・エアラインズとルフトハンザ・ドイツ航空の経営を統合。2017年1月1日までに各部門の統合を完了する計画だ。2019年までに5億ユーロを削減することを目標にしているという。こうした中、グループ内の効率性や相乗効果をさら向上させるために、部門統合行う。3社がそれぞれ担当分野を持つことになる。

グループ内の営業・マーケティングをルフトハンザ航空、プロダクト開発をオーストリア航空、収益管理をスイス・インターナショナル・エアラインズが担う体制に移行する。路線計画の策定はルフトハンザ航空がフランクフルトで行うが、各国間の合意が必要なために基本は各グループでおこなうことになる。

こうした削減を行う一方で、投資意欲も旺盛だ。2015年決算時には、同グループ取締役会会長兼最高経営責任者(CEO)のカールステン・シュポワ氏が以下のコメントを発表している。

「送力を増大するのは、当社のコスト体系に競争力がある領域に限ります。ユーロウィングスについては、大幅に事業を拡大し、空のネットワークを拡充します。全ての事業領域で技術革新を推進し、電子化とそれに伴う新たなサービスを通じ、お客様の旅をより快適かつシンプルにいたします」

現在、燃料費が低下しているものの投資とコスト削減を行うことで、競争力を高めていく方針だ。ブンケンブルク氏は、「燃料費が下がっているときは、航空会社の経営的な問題が隠れてしまう。そうした時は、余計な路線を作ってしまいがちだが、そこは気を付けるべきだ」との考えを示した。

なお、同社ではエアバスA350-900型機の大型発注をしているところ。A350はA300・A330/A340の後継機として発売された新世代の中型ワイドボディ旅客機。受領したA350-900型機は羽田/ミュンヘン線などで運行しているA340-600型機と順次入れ替えを行う予定で、日本路線では時期は決まっていないものの、遠くない先で投入されるだろうとの見方を示した。

トラベルボイス編集部 山岡薫

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