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旅行者の満足度を上げる事前入国審査に期待、米ニューヨーク市観光局の責任者に話を聞いた

昨年から米ニューヨーク市観光局で、グローバルツーリズム振興担当上席副局長を務めるマキコ・マツダ・ヒーリー氏は、米国土安全保障省が決めた成田空港で米国の事前入国審査が可能になるプレクリアランス制度開始に「ものすごい、期待をしている」と話す。

これは、このほど来日したヒーリー氏がメディアとのミーティングで話したもの。2001年以来、米国の空港ではテロ対策の観点から入国審査で長い行列と時間が必要だった。この行列を解消する成田空港での事前入国審査は「日本と周辺市場(成田で乗継ぎをする出発地)で大きなインパクトがある」との考えだ。

*写真:左がヒーリー氏/右は 同局アジア太平洋地区担当ツーリズム・ディベロップメント・ディレクターのリュウ・リアン氏(日本、中国、オーストラリア、インド、韓国担当)

日本をはじめとした長距離のフライト後に入国審査の行列に並ぶ時間は、旅行者にとって非常に大きなストレスだ。入国審査での長蛇の列は、米国各地で観光地としてのを悪くしている側面がある。ヒーリー氏は、それが解消されることで、リピーターが多いニューヨークの旅行者の満足度が上がることに期待する。そして、さらに「(帰国後に)帰ってきたい、と思ってもらいたい」と話した。

▼日本市場はビジネスが増加傾向、MICEも堅調

予約から出発までの時間が大きく短縮傾向に

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また、ヒーリー氏は近年の日本人旅行者の変化を説明。ニューヨークへのビジネス需要が増加傾向にあり、MICEの問合わせや実施の決定が増えているという。日本はニューヨークの国際MICE市場でトップ10に入る規模。メインとなる褒賞旅行(インセンティブツアー)では、ハードからソフトまでエンターテイメント性あふれる演出やサービスが可能であることをアピールした。

近年の旅行者トレンドで目立った変化としては、予約から旅行実施までの時間が大きく短縮されていることを指摘する。市観光局の調べによると、この期間が64日から47日に大きく縮小されている結果がでた。この理由について、ヒーリー氏はオンライン予約で訪れる若者が増えている点を指摘。若者自体も増加の傾向があり、これまでのプロモーションが奏功した恰好だ。

なお、同市を訪れる世界からの観光客が2014年には過去最高の5640万人に。これは2015年に5500万人を目指した目標を前倒しで達成したもの。ニューヨーク市では、2021 年までに年間観光客数 6700 万人達成を目標としている。そのうち、海外からの観光客数は 1600 万人、米国国内を5100 万人が想定している。

現地からニューヨークの旅行関連企業が来日。旅行業界を対象に観光促進セミナーとワークショップを開催した。

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