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アジアで販売中の訪日ツアー商品を分析、「台湾の主流は5日間」、訪問地の都道府県別ランキング発表 ーJTBF

財団法人日本交通公社(JTBF)が開催した「旅行動向シンポジウム」では、同財団が実施した独自調査結果も公開された。その中でも注目すべき台湾・香港・中国の旅行会社ツアーを分析した「訪日団体旅行商品調査」を紹介する。ここでは、旅行商品における訪問地の都道府県別ランキングも発表。旅行商品のトレンドは、各国旅行者のニーズとして読み取ることもできるので注目だ。

この調査は、旅行会社の団体旅行を利用して訪日する率が高い台湾、香港、中国を対象に、大手旅行会社11社がインターネット上で販売している訪日団体旅行商品を分析したもの。2015年2月下旬に3月出発分、3月下旬に4月出発分の商品情報を収集したもので、収集した商品数は計1502商品(台湾発1046商品、香港発121商品、中国発335商品)におよぶ。

調査の結果から、国・地域別に商品の傾向も異なることや団体商品の訪問地の都道府県別ランキングも明らかに。シンポジウムでは、JTBF観光政策研究部脚韻研究員の徐中芃氏が調査結果を解説。1位はどこもかわらないものの、香港・台湾は千葉(ディズニーリゾート)が上位に、台湾では北海道が5位に、中国は富士山周辺が上位となっている点を説明し、同じ中華圏でも各国の嗜好が異なる点を指摘した。

訪問地の都道府県ランキングと異なる3か国の商品の特徴は以下のとおり(カッコ内は商品数)。


台湾 -主流は5日間、47都道府県を網羅する多様性

台湾発の旅行商品では、日本での滞在日数が5日間の商品が多かった。ただし、沖縄県を訪れる商品では4日間の商品が主流。特徴的なのは、全商品を眺めると47都道府県を網羅しており、中国本土では訪問地に偏りがあるのと逆の傾向を示しているという。

旅行内容としては、テーマパークを訪れる団体旅行商品数が多い。千葉県の「東京ディズニーランド/東京ディズニーシー」と大阪府の「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン」、長崎県の「ハウステンボス」を合わせると、商品数はおよそ3割。また、花見ツアー、サイクリングや登山、マラソン、写真撮影、四国八十八ヶ所巡りなど個性的な商品が多く、訪日旅行に対して多様なニーズが存在していることを示した。

訪問地の都道府県別ランキングは以下のとおり。


 

香港 -5日間の商品が主流、テーマパークが人気

香港発の旅行商品では、日本での滞在日数が4~7日間となり、なかでも5日間の商品が多かった。台湾同様に、テーマアークの人気が高く、ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)、東京ディズニーリゾートが人気で、さらに富士急ハイランドにも足を延ばしている。

旅行内容では、一般的な周遊観光、写真撮影、JR九州のクルーズトレイン 「ななつ星 in 九州」に乗車する商品などがあったという。

訪問地の都道府県別ランキングは以下のとおり。

 

中国 -6~7日間が主流、訪問地が集中も広域な周遊型

中国発の旅行商品では、日本での滞在日数が6~7日間の商品が多く、沖縄県を訪れる商品では5日間が大半。訪問地が集中するのが特徴的で、日本列島を広域に周遊するツアーが多いという。典型的なパターンは東京、名古屋、大阪/京都、富士山周辺をめぐるツアー。そこにプラスして北海道、九州というパターンも目立ったという。

訪問地の都道府県別ランキングは以下のとおり。

シンポジウムについての記事はこちら>>>

トラベルボイス編集部 山岡薫