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民泊のあり方、家主居住の”ホームステイ型”は「届出制」という意見も含め議論、6月に結論 - 観光庁・厚労省

観光庁と厚生労働省は、「民泊サービスのあり方に関する検討会」の第7回会合を開催した。これまでの議論を踏まえた中間整理(案)をまとめ、「早期に取り組むべき課題」と「中期的な検討課題」を改めて整理。検討会も了承した。

「早期に取り組むべき課題」としては、民泊サービスに対する旅館業法の簡易宿所の活用において、その客室面積基準を見直すこと、自宅の一部などを活用する場合には玄関帳場は要しないこと、反復継続して有償で行われる民泊サービスについては旅館業法を促すことのほか、旅館業法の許可にあたり、賃貸借契約、管理規約(共同住宅の場合)に反していないことの確認を求めることなどが確認された。

「中期的な検討課題」としては、民泊の健全な普及に向けて、規制の程度(届出あるいは許可など)を整理する。また、家主居住で自宅の一部を貸し出すホームステイ型の民泊については緩和の対象とすることも盛り込んだ。このほか、近隣住民トラブルへの対応措置、無許可営業者への罰則見直し、用途地域規制の取り扱い、特区制度との整合性、仲介業者と旅行業法との関係などが確認された。

なお、ホームステイ型の民泊は届出制で認めるという一部報道について、観光庁は「検討会としての決定事項ではない」と否定。あくまで、検討会の意見としてまとめたものであり、今後議論をつめていく事案としている。

今回の会合では、自治体の上乗せ規制について、各自治体の都市計画にも関わってくるため、それぞれの事情にもとづく条例の改正あるいは運用の見直しを盛り込むべきとの意見が出た。そして宿泊者の本人確認の具体的な方法、仲介事業者に対して許可のないホストは掲載しないことを促す仕組み、旅館やホテルとの違いを明確するために「民泊」であることを明示する方法なども新たな検討課題として挙げられた。

今後、こうした新しい論点を踏まえつつ、中間整理(案)を修正するとともに、中期的な課題以外についても整理し、6月中に報告をまとめる。また、今年3月末にも取りまとめられる「明日の日本を支える観光ビジョン構想」でも、宿泊ニーズの多様化や需要への対応の観点から民泊サービスのあり方を反映させていく。

トラベルジャーナリスト 山田友樹