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エア・カナダ、11年ぶりに名古屋就航、北米ハブとして地方レジャー市場の取り込みを

エア・カナダ(AC)がエア・カナダ・ルージュで2017年6月から夏季期間に中部/バンクーバーの直行便就航することを発表した。発表直後の9月30日にはAC社長兼最高経営責任者のカリン・ロヴィネスク氏が来日。名古屋便就航について戦略と意欲を語った。

ロヴィネスク社長によると、同社による名古屋線の路線就航は11年ぶり。また現在、名古屋発着の北米路線はデルタ航空のデトロイト便のみのであることから、「バンクーバーをハブとして地域の北米市場を取り込めると考えた」とワイス貴代日本支社長は期待をかける。

今回、名古屋線で運航するのはエア・カナダ・ルージュ。2013年7月に創設、レジャー路線に特化して運航するACのブランドで、「ホテルでいうところのファーストブランド、セカンドブランド、という考え方。いわばフラッグキャリアとLCCのハイブリッド」(ロヴィネスク氏)。AC所有の300機のうち、50機がエア・カナダ・ルージュに使用されているという。座席数を増やすなどで低コスト化を実現し、中部就航に際しても、名古屋および周辺地域の夏から秋のレジャー客の取り込みを狙っている。

一方、名古屋のビジネス渡航については、「見込みはあるもののACを就航させるほどのボリュームではない」(ロヴィネスク氏)としたうえで、国内線のビジネスクラスに相当する「プレミアム・ルージュ」を提案、販売に尽力していく考え。

今後の地方都市就航については未定だが、同社としては東京をACで運航し、それ以外の地域はエア・カナダ・ルージュを利用していく方針だ。

このたびの中部路線就航に、ACは日本とカナダ、双方向からの送客を見込んでいるが、カナダ側からの訪日はまだ数が小さく、「中心となるのは日本からの送客となる」。そのうえで、ロヴィネスク氏は旅行会社に対し「早目の発表で来季の商品造成に十分な準備期間もあると考える。ぜひカナダ、さらには北米への商品造成に繋げていただきたい」と語った。

取材・記事 西尾知子