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マリオットホテル、アプリ機能を刷新、スタッフとのチャット機能やモバイル・ルームキー導入など積極化

マリオット・インターナショナルは、5カ国語(英語、中国語、スペイン語、フランス語、ドイツ語)対応のiOS版マリオット・モバイルアプリの機能を刷新した。旅行の準備段階から移動中、滞在中など、それぞれの状況に応じ、必要な情報やサービスをタイミングよく提供する体制を整え、利用客との関係強化につなげたい考え。アンドロイド版のリニューアルも予定している。

また旅行中に限らず、同アプリが「年間365日を通して、生活の貴重な一部になる」(マリオット・インターナショナルのトム・コジック・ロイヤリティ部門上席副社長)ことも目標に掲げており、例えば顧客ロイヤリティプログラム「マリオット・リワード」会員向けには、様々なプログラム機能が簡単に利用できるサービスを新モバイルアプリで提供する。

アプリの操作については「旅行者が空港の出発ゲートに向かっている慌ただしい様子」をイメージし、「荷物を片手で運びながらでも、もう片方の手でスマートフォンを操作できる」(同社)ことを念頭に、スワイプで探せるホーム画面やワンタッチ・ナビゲーションを取り入れた。

マリオットでは2014年から、モバイルチェックイン・チェックアウトや、客室の用意が整ったことを通知するアラート機能を導入しているが、新しいモバイルアプリでは、チェックインと同時に、部屋のアップグレードのリクエストを送信、可否の連絡を受け取ることができる。

ユーザー個人向けのカスタマイズも拡充。利用客が以前、検索したホテルや、予約済みの旅行情報に基づき、マリオットのデジタルマガジン「トラベラー」から選別したコンテンツを配信。アプリのホームスクリーンで表示する内容も、利用者の利用歴や嗜好に応じてカスタマイズ。旅行に出発してからアプリを開けば、「モバイルチェックイン」と「モバイルリクエスト」が表示されるなど、段階に応じ必要なサービス内容を提供する。

「モバイルリクエスト」は、ホテルスタッフと直接、チャットできる機能で、滞在前からチェックアウト後まで、各種のリクエストを随時、伝えられる。「タオルの追加」など、要望の多いサービスは、ドロップダウンメニューから事前に選んでリクエストすることが可能だ。

モバイルリクエスト機能は、2015年から段階的に導入が始まっており、現在、世界4000軒以上のホテルで利用可能。導入済のホテルでは、リクエストの54%がチェックイン前までに寄せられるようになったという。

なお、今回のアプリ刷新に伴い、マリオットでは今年末までに世界500軒以上のホテルで、モバイル・ルームキーも導入する。モバイルアプリでチェックインする場合は、フロントでの手続きは必要なく、客室に直行。ドアも利用客が自分のスマホなどで開閉できる。

さらに今年中には、リアルタイムでのサービス提供を可能にする新機能「mPlace」も追加する計画。例えば「滞在中、必ずエクササイズをするマリオット会員の利用客には、ホテル内フィットネス・スタジオの場所、営業時間、サービス内容を通知する」「プールサイドなど、ホテル内のどこに居ても、レストランやルームサービスのメニューから好きなものを注文し、届けてもらえる」などの機能も視野に入れている。