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バーチャル旅行は認知症予防に役立つのか? 医療機関・ITベンチャー・福祉施設が共同研究開始

奈良県立医科大学は2017年5月から、バーチャル旅行体験が認知症予防にもたらす効果に関する研究を開始する。バーチャル旅体験共有サービス事業のtoraru社、福祉・介護施設運営のナッセ社と共同研究チームを構築し、「バーチャル旅行体験が脳にもたらす作用」をテーマに医学的見地から研究を進め、認知症予防・抑制との相関関係を調査するもの。

具体的には、研究チームが「バーチャル旅行に行く頻度の高い高齢者は幸福感やストレスコーピング(対処)能力が高く、認知機能が保たれている。また、バーチャル旅行体験前・旅行体験後で脳に変化があり、幸福感の向上、認知機能は低下抑制が見られる」という仮説を設定。介護施設に入居する参加希望者約400名を対象に調査・研究を進める計画としている。

今回研究に参加するナッセは、近畿圏で複数の福祉施設を運営する企業。研究結果も参考に、入居高齢者が楽しむことができ、認知予防にも有効とされる体験として、バーチャル旅行を含めた旅行に関するツアーやイベントなどの導入を検討していく考え。

一方のtoraru社は、クラウドワーク型のバーチャル旅行体験共有サービスを提供するベンチャー企業。クラウドソーシングを介して現地から中継をおこない、遠隔地にいる依頼者に現地の様子をリアルタイムに配信するサービスを展開。今回の研究プロジェクトでは、プラットフォームの提供で参画する。

バーチャル旅行体験のイメージは以下のとおり。

報道資料より