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セーバー、AI搭載チャットボットを試験運用へ、よくある質問や予約変更への対応などを想定

セーバーは、このほど、AI(人工知能)を使ったチャットボットを米旅行会社と試験運用する計画を発表した。新しく開発したチャットボットは人間の言葉を学習して対話できるもので、マイクロソフト製のボット・フレームワークと、自然言語理解インテリジェントサービス (Language Understanding Intelligent Service:LUIS)などを使用。米国の旅行会社2社の協力を得て、業務の現場での試験運用を行う。

セーバーでは、チャットボットの活用方法について、旅行に出発した後に発生する旅程変更や、予定外の出来事に対応する際の旅行者サポートを想定。これに対し、旅行会社の担当者は、よりパーソナルなサービスや複雑なリクエストへの対応にあたるなどの役割分担を考えている。

今回の試験運用は、フェイスブック・メッセンジャーを介してアクセスする仕組み。実際に旅行者とのやりとりをおこない、飛行機の予約の変更など、よくある問い合わせへの対応にチャットボットを活用し、チャットボットが顧客からのリクエスト内容を理解できない場合は、そのまま旅行会社スタッフへと引き継がれるようにした。

今回試験運用に参加する旅行会社の1社TSI USAでは、「忙しい出張者とのやりとりに適した新しい手法となるか、また旅行会社の業務効率化やスタッフ支援につながるか、最新テクノロジーを検証する。よくある基本的な質問への対応はチャットボットが担当し、人間はより複雑で、付加価値の高い対応に注力することになる」としている。

また、セーバーは旅行会社と共同で、旅行者がチャットボットを利用するタイミングや頻度、どういう場面でスタッフの助けが必要になるのか、などについても検証する。

なお、セーバーは今回のチャットボット以外にも、ホテルの予約や問い合わせに対応するチャットボットのプロトタイプを開発中。こちらはフェイスブック・メッセンジャーのほか、ツイッター、WhatsApp、SMSテキスト・メッセージング、アマゾンのボイス・アシスタンス「Echo (Alexa)」、マイクロソフトの「コルタナ」、グーグルホームなどを使ってコミュニケーションする仕組み。こちらも準備が整い次第、試験運用へと移る計画だ。