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沖縄県の主要ホテルで客室単価が伸び悩み、宿泊特化型の客室単価は上昇、離島では違う傾向も

沖縄振興開発金融公庫企画調査部は、県内主要ホテルの稼働状況について、「リーマンショック直前からの長期推移」の調査結果を発表した。

これによると、客室稼働率は2008年のリーマンショック後、入域観光客数の減少により低迷していたが、その後のインバウンドをはじめ入域観光客数の増加により、稼働率はリーマンショック直前を上回った。2016年度はシティホテルが81.4%(07年比10%増)、リゾートホテルが81.4%(3.9%増)、宿泊特化型ホテルが79.5%(20.5%増)にまで高まった。

しかし、客室単価(ADR)では、リーマンショックから5年後の2014年度も2ケタ減の推移に。2016年度はシティホテルが1万3444円(07年比1.0%減)、リゾートホテルが2万2841円(1.5%減)にまで伸びたが、ようやくリーマンショック直前の水準に戻った状況に留まっている。一方、宿泊特化型の客室単価は、7098円(4.0%増)で、リーマンショック直前の状況を上回った。

離島地域のリゾートホテルでは、別の動きが生じている。稼働率は、新石垣空港開港した2013年度にはリーマンショック直前まで上昇したが、その後は客室単価アップの取り組みにより低迷。2016年度(07年比5.0%減)は、リーマンショック直前の水準に達しなかった。ただし、客室単価は2015年度にリーマンショック直前を上回り、2016年度には16.6%増と大幅に増加している。

これら調査を踏まえ、沖縄振興開発金融公庫では今後の沖縄のホテル稼働について、高稼働状況は頭打ちになると展望。2020年の東京オリンピック開催や那覇空港の第2滑走路の増設を控え、沖縄への入域観光客数は今後も増加するものの、相次ぐホテルの新設が予定されていることが理由だ。そのため、今後の収益性の維持・向上には、客室単価の上昇に向けたホテルの魅力創出が重要であると提言した。

2003年以降の県内主要ホテルの稼働状況は以下のとおり。

沖縄振興開発金融公庫:報道資料より