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スマホ向けサイトの使い良さランキング、旅行部門1位は「ブッキング・ドットコム」、グーグルらが世界460サイトで評価

グーグルはこのほど、英国を拠点とするユーザーエクスペリエンス(UX)専門のコンサルティング会社cxpartnersと共同で、欧州・中近東・アフリカ(EMEA)市場のモバイル向けサイトを対象としたユーザビリティ調査を実施した。調査対象としたのは、小売り(リテール)、金融および旅行系の計460サイト。主にスピードと使い勝手を重視し、モバイル利用者を意識したUXを数値化してランク付けしている。

その結果、旅行部門でランキング1位は「ブッキング・ドットコム(Booking.com)」で、2016年に実施した調査に続いて最優秀に選出。リテール部門の最優秀サイト「クールブルー(Coolblue)」、金融部門は「バンク・ノルウェージャン(Bank Norwegian)」だった。業種別のスコア平均は、旅行が71%、リテールが64%、金融が73%で、総じてまだ改善の余地は大きいとしている。

また、グーグルでは、英国市場のみに絞ったランキング結果も発表。こちらも旅行部門の1位はブッキング・ドットコム。2位はカヤック、3位はラストミニット・ドットコムとなった。

グーグルでは、消費行動においても、スマートフォン利用が常態化する一方、「実際に提供されているサービスは、時間がかかる、分かりにくい、購入決定までに何度も入力が必要など、使い勝手のよくない部分が多く、途中で利用者の購買意欲が減退するなど、機会喪失につながっている」(シェーン・カーセルズEMEA地区mWebプロダクト責任者)と指摘した。

旅行サイトでは「支払い」関連情報の分かりやすさが特に重要、小さな画面での見やすさも高評価に

モバイル向け旅行サイトについてカーセルズ氏は、「予約額が比較的高額になるため、チェックアウトの画面で、明確な情報を表示することが不可欠で、これがユーザーの安心感につながる」と説明。ランキング1位だった「ブッキング・ドットコム」は、購買手続きを進める間、合計金額が目立つように表示されている、チェックアウトの流れがステータスバーで分かりやすく表示され、ユーザーが前のページに戻ったり、進んだりを繰り返しても、一度、入力した内容が消えたり、入力し直す手間が生じない、などの点が評価された。

2位のカヤック英国版サイトは、携帯の小さい画面上でも、検索結果のデータが分かりやすいよう、オートフィルやフィルタリング機能が便利で充実。またデザイン面もユーザーフレンドリーで、画面内の配置、ヘッダーやアイコンの読みやすさ、分かりやすさなどはトップレベルとしている。

モバイル対応に注力し、今回も1位を獲得したブッキング・ドットコムによれば、今や旅行者の2人に1人は、まず携帯画面で、旅行プランに着手。また、モバイルで予約する層は、間際予約の傾向が強く、例えば、利用当日に予約を入れる人の4分の3は、モバイルを利用しているという。

同社のパパイン・ライヴァース最高マーケティング責任者(CMO)は「モバイル機器の登場で、旅行の在り方は激変した。旅行のスタート段階からモバイルを利用する旅行者が増えている現状を目の当たりにし、こうした客層のニーズに応えるにはどうするべきか、我々も再考している」と話している。

なお、英国市場のリテール部門ベスト3は、1位がetsy。次いでAsdaとeBay。同金融部門は1位がConfused.com、次いでuSwitch。3位は同点でTesco Bank,、comparethemarket.com、Cooperative Bankの3社。

リテール部門では、前回調査と比較して、検索機能が充実した。携帯の小さい画面では、入力文字のミスが起きやすいが、Asos.com(10位)では、スペルミスを予測し、自動修正する機能を搭載。そのほか、チェックアウト手続きページを1ページに簡潔にまとめる、決済システムはPayPal、Google Pay、Apple Payなど第三者のサービスを採用する、などの傾向が特徴的としている。

今回の調査では、対象サイトブランドの選出にあたって、2017年9月末までの一年間、SimilarWebデータにおいて最もビジター数が多いものを特定。ただし同一サイト内で、オンラインで購買が完結するなど、一定の条件を付けたため、大手サイトながら対象外のものもある。