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来年の大阪開催「ツーリズムEXPOジャパン2019」概要発表、初の地方開催でスーパー早割など誘致策、東京や地方のバイヤーにサポートも

ツーリズムEXPOジャパン推進室は、初の地方開催となる2019年の大阪開催について、2018年6月7日から出展者の受付を開始する。これにあわせ、日本旅行業協会(JATA)と日本観光振興機構、日本政府観光局(JNTO)は記者会見を開催し、2019年の開催概要を発表した。

日程は2019年10月24日~10月27日。インテックス大阪を会場に、従来の東京開催と同じくフォーラム&セミナー、展示商談会、交流会、顕彰事業の4事業とVISIT JAPANトラベル&MICEマート2019との共催で行なう。来場者の見込み数は、2018年東京開催の19万5000人(見込み)の約7割にあたる13万人で、うち業界関係者が3万4000人、一般が9万6000人だ。

初の地方開催にあたり、出展者の誘致にあたっては、出展料を通常の15%割引とする「スーパー早割」を2018年10月31日までの期間限定で設定。東京開催に比べ、交通費など出展者側の負担が増えることを踏まえ、出展料を含む総コストでは同程度の負担になるよう配慮する。さらに開催終了後には、東京のFAMツアーの開催も検討。大阪での出展後に、翌年の東京五輪関連の施設の視察ツアーなどを組み合わせることも考えているという。

一方、バイヤーとなる業界関係者も、関西圏だけではなく、東京を含む地方からの参加者を促進。東京会場で地方のバイヤーに宿泊提供や交通費の一部補助を行なっているが、大阪開催でも同様のサポートを検討。一般来場者に対して、今後1年で関西での認知向上を図り、目標を上回る集客すべく取り組んでいくという。

B級グルメやスポーツなど、大阪らしさの演出も

これまでツーリズムEXPOジャパンは東京のビッグサイト東棟で開催してきたが、2019年と2020年は東京オリンピック開催に伴い、従来通りの使用ができなくなる。これについてJATA会長の田川博己氏は「東京で開催ができないからではなく、大阪開催に意義を持ってやっていく」と強調。

開催日程がちょうど、日本で開催中のラグビーW杯の準決勝の期間であり、さらに翌年の東京五輪、2021年の関西ワールドマスターゲームと、世界の注目が高まっている好機に大阪で開催することで、大阪を西日本エリアの観光のハブとして地域活性化を図り、展示会や商談会の地方開催の促進や、国内外での関西ブランドの確立、観光による地方への経済波及の牽引役とする考えを語った。2020年は沖縄開催が予定されている。

また、今年2月には、関西経済界の各社による開催地連絡協議会が発足しており、代表して大阪観光局会長の福島伸一氏が記者会見に参加した。福島氏は、ラグビーW杯や東京五輪、関西ワールドマスターゲームの後にも、大阪では2025年開催で誘致中の万博や、IR(統合型リゾート)の早期開業を目指して取り組んでいることに触れ、「続々と予定されている大型イベントとのシナジー効果を高める絶好のチャンス」と、大阪でこの時期に開催する意義を強調。

オール関西で誘致に取り組んできたことを明かし、「成功に向け、関西らしさを加味して支援していく」と述べ、大阪ならではのテーマゾーンの設置など、大阪の魅力をアピールする考えを示した。具体的には、B級グルメを含む大阪の食やスポーツ、ウェルネスなどをあげたほか、告知活動でも大阪らしさを加えていく方針だ。

▼写真:左から)JNTO理事長・清野智氏、日本観光振興協会理事長・久保成人氏、JATA会長・田川博己氏、大阪観光局会長・福島伸一氏、大阪観光局常務理事・芳田隆氏