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年末年始の日本人の旅行者数は過去最多の見込み、海外旅行は4.3%増73万人、国内旅行は1.1%増 ―JTB推計

JTBが2018年12月5日、この年末年始(2018年12月23日~2019年1月3日)の旅行動向見通しを発表した。それによると、国内外を合わせた延べ総旅行人数は前年比1.2%増の3062万8000人。前年よりも約35万人以上多く、過去最高となった。

そのうち、海外旅行人数も4.3%増の73万4000人となり過去最高を記録。国内旅行は1.1%増の2989万4000人だった。

総旅行消費額は、5.1%増の1兆1436億円。海外旅行は8.3%増の1571億円で、平均費用は3.9%増の21万4000円。国内旅行は旅行消費額が4.6%増の9865億円、平均費用は3.4%増の3万3000円。昨年は海外旅行平均費用が微減だったが、今年は増加に転じた。平均旅行日数は0.2日増の3.8日。

2018年年末年始(2018年12月23日~2019年1月3日)の旅行動向推計値は以下のとおり。

JTB:報道資料より

同社では、2019年の1月4日を休暇にして12月29日から9連休とするなど、2018年の年末年始は昨年より長期休暇にしやすい点に言及し、それが旅行喚起につながると示唆。また、12月22日から24日までクリスマス3連休を使った旅行者も増える可能性があるとみている。この冬のボーナスは前年比3.5%増と2年ぶりにプラスに推移し、過去最高となる見通し(日本経済団体連合会発表)。ただし国際経済への懸念や今年発生した自然災害などの影響もあり、景気は「緩やかな回復基調」にとどまると予測する。

アンケート調査で昨年と今年の年末年始の違いを質問したところ、「特に違いがない」との回答は約3割で昨年の約4割より減少。「昨年より遠距離の旅行に行く」人は1.1ポイント減の4.9%となったが、「昨年より旅行日数を増やす」(0.7ポイント増の4.9%)人が「昨年より減らす」(2.5%ポイント減の1.1%)を上回った。「昨年より収入が増えた」は1.7ポイント増の13.7%で、「減った」(0.3ポイント増の8.7%)よりも多数派に。今後1年間の旅行支出については、1.9ポイント増の15.1%が「支出を増やしたい」と回答。足元の景気は改善傾向にあるため、総じて旅行に行きやすく、支出についても前向きである様子がうかがえた。

海外旅行の傾向:近場のアジアは新年の出発も人気

海外旅行の出発日のピークは2018年12月29日と30日。また、アジアを中心に、新年1月2日と3日の出発も多く見受けられる。

方面別では、アジア全体が5.4%増の48万7000人、北米合計が前年並みの5万6000人、ハワイが1.6%増の6万4000人、欧州が5.6%増の5万7000人、大洋州(豪州、ニュージーランド、南太平洋)が3.6%増の2万9000人、その他(中近東・アフリカ・中南米など)が8.3%増の1万3000人。昨年同様、グアム・サイパン(3.4%減の2万8000人)以外の全方面で増加。特に韓国や香港、欧州が人気で、5ポイント以上の増加となった。

アジアの国別推計値は以下のとおり。

JTB:報道資料より

国内旅行の動向:宿泊施設は「妻や夫の実家」が減少、交通はバス・LCC・新幹線が増加

国内旅行の出発日ピークは2018年12月29日と30日で帰省が中心となる見通し。

アンケートによれば、旅行日数は昨年より「2泊3日」が減少し、「3泊4日」「5泊6日」が増加。利用する宿泊施設では、「夫や妻の実家」が減少した一方で、「ホテル」(2.2ポイント増の30.6%)、「旅館」が0.4ポイント増の15.6%。利用交通期間は乗用車が65.9%で最多となったほか、高速・距離バス(4.3ポイント増の7.5%)、「LCC」(0.5ポイント増の1.7%)など。自家用車は昨年より減少し、JR新幹線とLCC、高速・長距離バスは上昇した。

国内旅行の利用宿泊施設および交通機関は以下のとおり。

JTB:報道資料より

この動向調査は、アンケートや経済動向、業界動向、航空会社やJTBグループの販売・予約状況などから推計したもの。

アンケートは、全国200地点で15歳から79歳までの男女1200名を対象に実施。調査期間は2018年11月1日から11月13日。2018年12月23日から2019年1月3日までの1泊以上の旅行について調査した。