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ANA、国際線上級クラスに新シート導入、ビジネス席はドア付き個室、機内は隈研吾氏の監修で

全日空(ANA)は今夏から導入する長距離国際線主力機のボーイングB777-300ER型機で、上級クラスの機内空間を刷新する。

建築家の隈研吾氏の総合監修のもと、世界の航空会社の内装を手掛ける英国・Acumen社が担当した機内デザインは、先進的で洗練された日本らしさのある雰囲気を実現。さらに、10年ぶりに導入する新シートは、ファーストクラス、ビジネスクラスともにドア付きの個室型ワイドシートとし、これまでにない広さと寝心地を実現した寛ぎの空間を提供する。

新ファーストクラス「THE Suite」は、広さや座り心地、シートデザインやファブリックの色合いまで洗練させ、5つ星ホテルのような居住性と機能性を提供。座席のモニターは、機内のパーソナルモニターでは世界で初となる4KおよびフルHD画質で機内番組を視聴できるようにした。

新ビジネスクラスシート「THE Room」では、ドア付き個室型のシートをビジネスクラスに搭載するのはANAでは初めて。全席通路アクセスにしながらも、シートの向きを進行方向と逆向きに互い違いにすることで、世界最大級の居住空間を確保。最大幅は現行の約2倍にまで拡張した。また、モニターはファーストクラスと同じく、機内のパーソナルモニターとして世界初の4KとフルHD画質で提供する。

上がファーストクラス、下がビジネスクラスの新シート:発表資料より

このほか、ファーストクラスとビジネスクラスでは、航空機クッション制作で実績のある横浜フォームラバーの協力のもと、西川と共同開発したシートクッションを採用。良好な根姿勢を維持できるよう、効率的に体圧を分散する構造とした。また、読書灯や食事灯はパナソニックの監修のもと、それぞれの用途にあわせた位置や色に設定。睡眠時や起床時に適した灯りが点灯するウェイクアップモードも搭載した。

新シートは国際線ボーイング777-300ER型機の12機(212席仕様)仕様で導入し、2019年8月2日から羽田/ロンドン線のNH211便とNH212便で運航を開始。まずは隔日で運航し、デイリー運航は8月末~9月上旬ごろに実施する予定だ。