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破綻した英トーマス・クック全555店舗の引受け先が決定、英拠点の旅行会社が買取り、約2500人の元従業員も再雇用へ

フランス・パリのトーマス・クック店舗(AP通信)

イギリスの独立系旅行代理店「ヘイズ・トラベル(Hays Travel)」は、破綻したトーマス・クックの店舗を買い取ることで破産管財人と合意した。正式な契約後、ヘイズ・トラベルは旧トーマス・クックの555店舗すべてを引き取る。

また、ヘイズ・トラベルはトーマス・クック店舗の全従業員のうち約25%、最大で2500人の再雇用を数週間以内に行う予定。すでに600人の元従業員を再雇用しており、今後店舗の速やかな再開を目指していく。さらに、新たに同社のサンダーランド本社で約100人を雇用する計画だ。これにより、ヘイズ・トラベルの従業員は現在の2倍になる見込み。

トーマス・クックは2019年9月23日に強制的に清算され、破産管財人が裁判所によって任命された。その補佐役として世界的なコンサルタント会社KPMGから複数の専門家(Special Managers)が指名されている。ヘイズ・トラベルは、トーマス・クックの破綻後、イギリスの民間航空局(CAA)の要請に基づき、速やかに海外に取り残された旅行者と予約済みの旅行者の支援を行った。

ヘイズ・トラベルは40年前にサンダーランドで創業。社長のジョン・ヘイズと会長のイレーネ・ヘイズが経営する個人事業会社で、2018年の売上高は約10億ポンド(約1315億円)。現在の従業員数は約1900人。現在イギリスで190店舗を展開しており、今回のトーマス・クック店舗の買収によって、そのネットワークをさらに広げることになる。

イレーネ・ヘイズ氏は「トーマス・クックはイギリスでとても愛された旅行会社。イギリスのみならず世界の旅行産業において柱の旅行会社となっていた。従業員をはじめトーマス・クックが持っていた財産を受け継ぐことで、我々のビジネスの将来もよりよいものになるだろう。ヘイズ・トラベルは、トーマス・クックの第一級のサービスに対する評価を維持し、従業員とって最良の職場とすることで彼らのキャリアを上げていく」とコメントしている。