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インバウンドベンチャー会が一般社団法人化、業種超えた連携で環境整備へ

インバウンド事業を営むベンチャー企業の経営者組織「インバウンドベンチャー会」は、2019年12月9日に一般社団法人化し、設立発表会を開催した。

インバウンドベンチャー会は、各業界の専門性で訪日外国人旅行者に対する価値提供を行なう企業が連携し、事業促進を図るプラットフォームとして2015年に発足。今回、一般社団法人化でさらに活動を本格化させ、一業界では対応できないインバウンド事業に対して、業界を超えた企業間の連携や、都市部に集中するインバウンド企業と地方の自治体や地元企業との接点を増やす取り組みを促進。日本全体の受け入れ環境整備の強化を目指す。

代表理事に就任した他力野淳氏(バリューマネジメント代表取締役:写真上)は、「インバウンドという業界はなく、受け入れ環境整備には宿泊や多言語化など様々な企業の集合体が必要。それぞれの産業がインバウンドにどう関わり、価値を持たせていくのか勉強会とネットワーク作りを行なってきた」と、同会の発足の経緯と意義を強調した。

その上で「観光地づくりや街づくりに向けた枠組みができているが、具体的な受け入れ環境は整っておらず、課題は複合的にある。様々な課題解決ができる企業をコネクトする仕組みを作り、2030年に6000万人以上の受け入れを実現する」と一般社団法人化の目的を強調した。

発表会では、国土交通省航空局長の柏木隆久氏や日本政府観光局(JNTO)地域連携部長の渡辺厚氏が来賓として挨拶。柏木氏は「現場では、コミュニケーションや接客、荷物の取り扱い、災害時対応など、少し考えただけでも旅行者が不便に思うような改善すべき余地が残っている」と述べ、同会への期待を示した。

ファウンダーであるビジョン代表取締役社長兼CEOの佐野健一氏によると、同会は「我々は(ベンチャー企業が多く)歴史は浅いが、各社は各取り組みを経営的視点で見ている」のが強み。「生きている予算の使い方をするし、連携の仕方もスピードも違う。完成時の課題解決のレベルも高くなる」とも語り、地方にも多く存在するインバウンドに取り組むベンチャー企業との連携に意欲を示した。

インバウンドベンチャー会メンバー