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サンリオピューロランドが挑んだ集客のグローバル化、「クルック」と歩んだ個人旅行化への対応とコロナ危機の今を聞いてきた(PR)

ハローキティを始めとした人気のサンリオキャラクターたちの世界感が楽しめるテーマパーク「サンリオピューロランド」。来場者にはリピーターも多く、満足度も高いテーマパークだが、過去には課題もあった。ひとつめは、日本が世界に誇るコンテンツの高い知名度と比べて、パークの海外市場における知名度が今一つだったこと。ふたつめは、インバウンド市場で加速する団体から個人旅行化への流れ。そこで同社が5年前に注目したのが旅先体験プラットフォーム、KLOOK(クルック)だった。

海外市場を開拓するなかで、クルックを活用するメリットや、コロナ危機収束後に向けた展開を聞いた。

世界各国からのバランスよい旅客誘致に成功

サンリオピューロランドがクルックとの取引を開始したのは5年ほど前。当時のクルックは、スタートアップとして注目されるようになったとはいえ、創業間もない旅行プラットフォームだったが、サンリオ側からパートナーシップについて問い合わせがあったのが始まりだった。クルックに関心を持った理由として、株式会社サンリオエンターテイメントのサンリオピューロランド営業部・同営業推進課主任の牧里友哉氏は、第一に「インバウンド旅行者の個人旅行化(FIT化)」を挙げる。

当時、海外のホテルや現地アクティビティでも、気軽にスマホ予約する人がどんどん増えていた。「団体のお客様も大切だが、それだけでは不十分な時代になりつつあり、BtoBtoCにも力を入れる必要があった」(牧里氏)。世界各国の個人旅行者に、効率的にリーチできるオンライン・プラットフォームを模索するなかで、便利で気軽に予約できるクルックに将来性を感じたと牧里氏は振り返る。

もともと海外マーケット開拓では、国内外の旅行会社やランドオペレーター向けに、パッケージツアーや現地オプショナルツアー用の素材としてサンリオピューロランドを訴求しており、中国本土からの旅客誘致で成果が出ていた。団体客を乗せた大型バスが何台も連なってやってきた時代もあるが、今では、もはや過去の風景だ。

サンリオピューロランドを訪れる外国人客の比率を見ると、2015年時点ではインバウンド全体の8割が中国本土からの旅行者、そのほとんどを団体客が占めていた。現在も、中国からの旅客数はほぼ変わっていないが、シェアは40%に低下。理由は、他マーケットからの旅行者の増加だ。エリア別内訳では、台湾が20%、東南アジア30%、欧米豪10%。なかでも「5年前はゼロに近かった欧米豪マーケットを開拓できたこと、フィリピン、タイ、シンガポールなど東南アジア市場が大きく伸びていることは、クルックとの連携による効果」と牧里氏は指摘する。

サンリオピューロランド営業部で海外マーケット開拓を担当する牧里氏

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パーク内には免税店があるため、ここでショッピングを楽しむ来訪者については、正確な国籍が把握できる。「最近では、中近東やアフリカからの旅行者もいらっしゃる。マーケットが多様化したことで、パーク全体が、以前よりもグローバルな雰囲気になってきた」(同氏)。

クルック経由でチケットを予約するパーク訪問客は、旅慣れた若者が多いのも特徴だ。

来日前ではなく、東京に到着した後、サンリオピューロランドを予約する人も目立つ。なかにはパークの前まで来て、窓口販売の入場券価格をチェックした後、スマホを取り出して、クルックで予約する人も。旅行者にとっては、チケットを買う列に並ぶ必要がない上、割引や特典もある。一方、クルックと一緒に運用中のスマホをかざすだけで入園できるシステムは、パーク側にとっても、従業員の負担軽減につながっている。

サンリオの世界に満面の笑みを浮かべる旅行者たち

他社との違いはスピード感

ハローキティの世界的な人気は、誰もが認めるところだ。この他にも、最近ではネットフリックス配信によりアメリカで人気のOLキャラクター「アグレッシブ烈子」、台湾で人気の「ぐでたま」、タイで人気が高い「けろけろけろっぴ」など、強力なコンテンツには事欠かない。ところが意外なことに、海外では、サンリオピューロランド自体の存在はあまり知られていなかったという。

そんな状況を打破する上で、効果を発揮したのが、グローバルな顧客ベースを持つクルックと展開してきた様々なプロモーションだった。オンライン・マーケティングから、東南アジアで開催されたオフラインのO2O旅行イベント「クルック・トラベルフェス」への参加まで、様々なPR活動の積み重ねにより、認知度は次第にアップしていった。

クルックのプラットフォームに常時、掲載している動画コンテンツも、数十秒間の短いものながら、サンリオのキャラクターに会えるテーマパークが東京都内にあると知ってもらうのに「アピール効果が高かった」と牧里氏は指摘する。クルックでは、掲載画像についても、季節やオーディエンスに合わせて定期的にアップデートするなど、プラットフォームの視覚的な訴求力アップに力を入れている。

クルックのプラットフォーム上でハローキティやマイメロディが歓迎

もう一つ、牧里氏がクルックとパートナーシップを組み、一緒に仕事するなかで驚いたのは、そのスピード感だ。「通常、新しい取引が始まるまでには、色々な協議が必要で、意思決定に時間もかかる。その結果、最適なタイミングを逸してしまうこともあるが、クルックとの共同企画では、とにかく判断が早いので、必要な施策を柔軟に展開できる」(同氏)。

クルックからサンリオピューロランドへの送客人数は、取引きスタート以来、コロナ危機が深刻化する今年2月までプラス成長を続けており、同2月までの一年間では、前年比20%増と順調だった。

パンデミック収束後は国内旅行に照準

現在、世界中で移動が制限されるなか、旅行業界は未曽有の厳しい状況に追い込まれている。サンリオピューロランドでは、2月中旬と早い段階で閉園を決断した。「現場では、すでに1月から、ウイルス拡大による海外需要の減少をひしひしと感じていた」(牧里氏)。桜の季節やイースターなど、テーマパークにとっては、人気のイベントが目白押しのにぎやかな時期を控えていたが、従業員とお客様の健康を最優先してのクローズ。準備してきたことはすべて中止に追い込まれた。

クルックとの間では、キャンセル対応などに加え、パンデミック収束後を見据えた施策などについて、コミュニケーションを続けている。「こういう時こそ、できることは何か。危機が去った後の需要喚起策について話し合っている」と牧里氏。世界中にクライアントを持つクルックならではの知見や、サンリオとの親和性が高いマーケットの提案、さらに臨機応変に対応してくれる柔軟性。「クルックは当社にとって、世界との懸け橋」と牧里氏は信頼している。

サンリオピューロランドでは、閉園中も公式SNSやユーチューブを駆使し、会えない時間にも国内はもちろん、これまで開拓してきた海外ファンとのつながりを深めようと取り組んでいる。なかでも4月下旬、英語や中国語、韓国語での字幕付きでリリースした短い動画は、大きな反響があった。

画面には、照明を落とした暗いパーク内の様子が映し出される。すっかり賑わいが消えた園内だが、スタッフたちは、それぞれの担当部署で「いつでも再開できるよう」、機材の点検をしたり、ダンスの練習をしたり、新作メニューの料理を試作したり。この動画は、クルック経由でも海外へ発信する。

フルファネルで需要喚起をサポート

旅行需要がいつ回復に転じるのか、依然として視界不良な状況の中にあるが、クルックでは目下、サンリオを含む主要パートナー企業との間で、新たに日本の国内旅行マーケットを狙った施策をスタートする計画が進行中だ。

クルック日本支社の山崎真宏マーケティング・ディレクターは「まず国内旅行マーケットから動き出すのは間違いない」との見方から、現在、日本国内で人気の高いアトラクションをピックアップし、パートナー事業者との間で、日本のユーザーに向けたプロモーションの準備を進めている。

クルックの強みの一つとして、山崎氏は、「フルファネルでマーケティングが可能なこと」を挙げる。例えばオフラインイベントからディスプレイ広告、SNS、インフルエンサー、各種SEM施策、Eメール・Appプッシュ通知、サイトマーチャンダイジングなど、「カスタマージャーニーのあらゆるポイントで最適な施策を打てる各分野のエキスパートが社内に揃っている」(同氏)。

こうした様々なユーザーとのタッチポイントを武器に、クルックでは、コロナ収束と需要回復のタイミングを注意深く見極めながら、少しずつ、段階的にプロモーションを加速していく考えだ。さらにローンチ後も、ユーザーデータを駆使しながら商品を磨き上げる手を決して緩めない。商品群を徐々に拡大、投資額も増やしていく戦略だ。

やがてインバウンド需要が本格的に動き出せば、「クルックが世界各国に展開するマーケティングチームと商品開発チームとが一体となり、グローバル企業ならではのユーザーベースを活用しながら、パートナー事業者の集客に貢献できる」と山崎氏は自信を見せる。

一方で、パンデミックで委縮した人々の旅行意欲が回復するには、まだ時間がかかることも覚悟している。それまでは、状況に応じて役立つ情報の提供や、柔軟なキャンセルポリシーといった形で、引き続き、パートナー企業のサポートに全力を尽くしていく。

広告:クルック(KLOOK)

KLOOKとのパートナーシップについて:

問い合わせ: reina.masumoto@klook.com

編集・記事:トラベルボイス企画部