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トリップアドバイザーCEO、2021年の旅行需要を楽観視、2020年度の売上高は60%減、大幅な赤字に転落

トリップアドバイザーのスティーブ・カウファーCEOは、2020年度決算発表での株主向けにコメントで、ワクチン接種が世界中で加速していることから、2021年後半から旅行需要は拡大するとの見解を示した。

カウファーCEOは「トリップアドバイザーの歴史で最も困難な年だった2020年をうまく乗り切ることができた。昨年第4四半期から今年初めにかけては、本格的な旅行需要の回復傾向はまだ見られないが、いずれ戻ってくると楽観している。トリップアドバイザーは、パンデミックによってさらに力強くなり、需要回復に向けて重要に役割を果たしていく」と述べた。

同社では、長期的な旅行市場の成長を見据えて、財務体質を強化するとともに、競争力を強化。昨年第4四半期に消費者向けサブスクリプションサービス「トリップアドバイザー・プラス」のベータ版をローンチした。

なお、2020年度第4四半期(10月~12月)の売上高は前年同期比65%減の1億1600万ドル(約122億円)。当期損益(GAAP)では、前年同期の1500万ドル(約16億円)の黒字から7300万ドル(約77億円)の赤字に、調整後EBITDAも前年同期の9200万ドル(約97億円)の黒字から3300万ドル(約35億円)の赤字にそれぞれ落ち込んだ。

これにより、2020年度(1月~12月)の売上高は前年度比61%減の6億400万ドル(約637億円)。そのうち、ホテル、メディア&プラットフォーム事業が同62%減の3億6100万ドル(約381億円)、エクスペリエンス&ダイニング事業が同59%減の1億8600万ドル(約196億円)となった。当期損益(GAAP)では、前年度の1億2600万ドル(約133億円)の黒字から2億8900万ドル(約305億円)の赤字に転落。調整後EBITDAも前年度の4億3800万ドル(約462億円)の黒字から5100万ドル(約54億円)の赤字に落ち込んだ。

2021年第1四半期については、売上高、調整後EBITDAとも2020年第4四半期とほぼ同等と予測している。

※ドル円換算は1ドル105円でトラベルボイス編集部が算出