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観光庁、「第2のふるさとづくり」事業で今春にもモデル実証へ、関係人口創出の仮説を構築、宿と町との触れ合いが必要

観光庁は、「第2のふるさとづくりプロジェクト」に関する有識者会議の中間取りまとめを公表した。このプロジェクトは、「第2のふるさと」を作り、「何度も地域に通う旅、帰る旅」を新たなスタイルとして定着させ、地域が一体となり「稼げる地域」をつくることなどが狙い。

中間取りまとめは、有識者会議での議論を踏まえ、「何度も地域に通う旅、帰る旅」による交流・関係人口のさらなる創出について仮説構築を行ったもの。

その骨子によると、個人の意欲による来訪として、すでに旅行している層、旅行をしたい層のほかに、旅行と認識せずに移動している層や、ボランティア・プロボノ層、バーチャルネットワークで組織された層を想定。また、組織の意向による来訪は、サテライトオフィス化やリモートワークの原則化、企業研修、教育旅行のほか、自治会活動などの組織層とした。

そのうえで、「何度も地域に通う旅、帰る旅」に求められる滞在・移動環境について議論。滞在環境については、安心と居心地の良さがあり、「さりげなさ」や「緩やかさ」がある「ヤド」「マチ」との触れ合いが必要とし、地域と来訪者はフラットで「相思相愛」の関係により、来訪者だでけでなく、地域側もメリットを感じられる繋がりが必要だとした。

具体的には、「ヤド」では、訪問頻度や滞在スタイルに応じた快適で柔軟なサービス・施設、既存宿泊施設の改修や空き家の活用、泊食分離による地域での食事が求められ、「マチ」では来訪者と地域住民の双方で共有され、緩やかに交流を生む「第3の場」や再来訪する理由、地域と関わる理由が求められるとした。

また、移動環境では、公共交通が未発達な滞在地域内の移動手段を確保すること、柔軟な移動を可能にする旅行商品、サブスク、MaaS連携などが必要とまとめた。

観光庁では今後、年度内に市場規模等の定量調査や仮説の要素検証を実施。2022年3月に最終取りまとめを行い、4月からモデル実証を始める予定。