
UNツーリズム(国連世界観光機構/UNWTO)は、第5回となる「ベスト・ツーリズム・ビレッジ」を発表した。UNツーリズム加盟65カ国から寄せられた270件以上の応募から52村が認定された。
日本からは奈良県明日香村、和歌山県高野山、香川県土庄町、香川県小豆島町が選ばれ、これで日本のベスト・ツーリズム・ビレッジは12地域となった。
奈良県明日香村は、里山の保護に向けて食と農、古民家再生を通じた観光振興、和歌山県高野山は「宿坊に泊まる」などの仏教聖地ならではの様々な文化体験を通じた観光振興、香川県土庄町は特産品であるオリーブを軸とした循環型農業や自然、伝統的な歴史・文化の振興を通じた観光振興、香川県小豆島町は観光により持続できる島を地域一体で目指した観光振興を、それぞれ推進していることが評価された。
このほか、アジアでは中国から4村、韓国からは2村、ベトナムから2村、インドネシアから1村が認定。また、ウクライナからコロチャバ村が認定された。
ベスト・ツーリズム・ビレッジとは
ベスト・ツーリズム・ビレッジとは、認定された文化・自然資源を持つとともに、地域社会に根ざした価値観の保全に尽力し、経済、社会、環境のあらゆる側面で革新と持続可能性への明確なコミットメントを示す地方の観光地を認定するもの。「文化資源と自然資源」「文化資源の振興と保全」「経済の持続可能性」「社会の持続可能性」「環境の持続可能性」「観光開発とバリューチェーンの統合」「観光のガバナンスと優先順位付け」「インフラと接続性」「健康、安全、セキュリティ」の9つの評価分野に基づいて、独立した諮問委員会によって評価される。
また、認定基準を満たすための高いポテンシャルを持つ村を支援し、評価中に弱点と特定された分野の改善を支援する「アップグレード・プログラム」も提供。今年は20村が選ばれた。
UNツーリズムは、ベスト・ツーリズム・ビレッジ・ネットワークも構築。メンバー間で経験や優れた実践、学習、機会を交換する場を提供するほか、農村開発の原動力としての観光の促進に携わる専門家や公共部門および民間部門のパートナーからの支援を受けている。
第6回については、2026年第一四半期に候補村の応募が始まる。