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GDSインフィニ、新たなNDC予約ツールの概要発表、10月27日提供開始、航空10社でスタート

日本発GDS(Global Distribution System)インフィニトラベル インフォメーションは、旅行会社向けセミナーを開催し、航空流通におけるNDCや海外旅行市場の動向、次世代マーケットプレイスの構想を説明した。

あわせて、次世代流通規格NDC(New Distribution Capability)に対応した新たなGDSモデル「INFINI NDC Connect」の稼働予定日を2026年10月27日と発表。既存の旅行会社向け端末と連携し、NDCコンテンツを検索・手配できるようにする。「INFINI NDC PLUS」の名称で提供する。

NDCは、国際航空運送協会(IATA)が2010年代前半から推進している新しい流通規格。従来の航空券予約システム(GDSなど)で使われているテキスト形式(EDIFACT)から、画像や座席図といったXMLベースのグラフィック情報のやり取りを可能にする。「INFINI NDC PLUS」 のサービス開始時点では約10社の航空会社のNDCコンテンツに対応し、その後、対象航空会社を順次拡大する。

「旅行会社とともに変化に対応」

セミナーの冒頭で、挨拶に立った同社代表取締役社長の高橋誠一氏(写真上)は、同社が2025年に創立35周年を迎えたことに触れ、これまで旅行会社や航空会社とともに、海外旅行に大きな影響を与えたさまざまな危機を乗り越えてきたと振り返った。

足元の海外旅行市場については、中東情勢や燃油サーチャージの高騰、物価高などが需要の重しになっていると指摘。「短期的な障害があるが、皆様とともに乗り越えていきたい」と述べた。

同社は2026年1月にNDC機能の開発を発表し、その後、システム開発や航空会社との調整を進めてきた。高橋氏は、国際航空運送協会(IATA)が提唱する「オファー&オーダー」への移行が、世界の航空会社で本格化していると説明した。XMLを基盤とするNDCによって、航空会社は旅行者ごとのニーズに応じた商品やサービスを提示しやすくなり、利用者の選択肢も広がるとの見方を示した。

そのうえで、「顧客ニーズに最も近いところにいる旅行会社と、唯一の和製GDSとして一緒に考えていきたい」と決意を語った。

NDC、既存GDS、LCCを一括検索

上席執行役員営業部長の井上浩二氏の説明によると、「NDC Connect」は同社が展開するNDC関連の接続基盤や機能全体の総称。「INFINI NDC PLUS」は、旅行会社が検索、比較、予約・手配に利用するツールと位置づける。既存の旅行会社向け端末「INFINI LINX PLUS」と連携し、端末上から起動して利用する。旅行会社は、従来の業務環境を活用しながら、新たにNDCコンテンツを検索、手配できるようになる。

中心となるのは、NDC、従来のEDIFACT方式で流通するGDS、LCCのコンテンツを一括検索する機能だ。NDCを別のシステムや画面で検索するのではなく、既存のGDS運賃やLCCを含めて横断的に表示する。担当者が複数の端末やウェブサイトを行き来する負担を減らす狙いだ。

NDC運賃と従来のGDS運賃を比較する機能も提供する。旅行会社は価格だけで商品を選ぶのではなく、運賃条件を比較しながら、顧客の要望に適した選択肢を提案できるようになる。

運賃規則を日本語で確認する機能のほか、顧客への案内に使う見積もり作成、翻訳、自動発券などの機能も用意する。検索から条件確認、比較、見積もり、手配までの一連の業務を支援し、日本の旅行会社の商習慣や運用に対応する。

上席執行役員営業部長の井上浩二氏 

業務効率化と販売リスク低減を両立

新たに提供するINFINI NDC Plusで実現する価値としては、業務効率化、コスト削減、リスク低減、顧客満足度向上の4点を挙げた。複数チャネルの一括検索によって作業時間を短縮するとともに、運賃規則や販売条件の確認漏れ、顧客への説明不足などのリスクを減らす。

また、航空会社が提供するNDCコンテンツは、航空会社ごとに仕様や対応機能が異なる。これに対して旅行会社側が個別に処理する負担を抑え、可能な限り共通の操作環境で利用できるようにする。

井上氏は、競合GDSやアグリゲーターが先行してNDC対応を進めており、同社が後発になるとしたうえで「それを裏返すような機能を提供する」と強調した。

旅行会社の約52%がNDCを利用

当日のセミナーでは、参加者へのアンケートも実施した。約200名の参加者のうち、NDCを利用しているのは約52%で、利用・未利用がほぼ半数ずつに分かれた。

利用企業が重視する点では、価格や運賃の安さを挙げる回答が多かった。旅行会社からは、柔軟な運賃の提供に加え、将来的な付帯サービスの拡充にも期待する声が聞かれた。

一方、未利用企業からは、基幹システムとの連携や接続コスト、利用機会の少なさなどが課題として挙がった。

導入企業からも、航空会社ごとにAPIの仕様や対応範囲が異なること、複数の端末を使い分ける必要があること、収益性を見極めにくいことなどが指摘された。現場に導入への抵抗もあり、本格活用に向けて試行錯誤を続けているとの声もあった。

ある旅行会社は、現時点でNDCを全面的に活用するのではなく、利用できる案件を見つけて適用し、実績を積みながら社内の知識や運用経験を蓄えていると説明した。

これに対しインフィニは、航空会社間の仕様差を可能な限り吸収し、標準化して旅行会社に提供することがGDSの役割だとの考えを示した。システム開発では、航空会社ごとの仕様の違いをカバーするワークフローを提案し、APIの専門スタッフが旅行会社の開発や疑問点の解消を支援する。こうした支援で、旅行会社の開発負担と現場の運用負担を軽減し、NDCの利用拡大につなげる考えだ。

セミナーでは、同社が、2027年以降、AIを搭載した新たなウェブ型マーケットプレイスを稼働する計画も明らかにした。販売チャネルの変化やNDCを含む流通の転換、業務の煩雑化、人材・働き方の変化を見据え、デバイスに依存しない操作環境、担当者の提案を支援するスマートアシスト、一つの端末から複数のコンテンツを手配できるワンストップ型の機能、外部コンテンツとの連携などを検討する。

セミナーでは参加者にアンケートを実施し、課題感を共有。今後の取り組みへの方策を探った