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トキエア、法人需要の取り込みを強化、インバウンド乗継ぎ需要の開拓など、今後の戦略とは?

新潟を拠点とする地域航空会社トキエアが、冬季の需要安定化を見据え、法人需要の取り込みを強化している。このほど名古屋で法人を対象として開催したセミナーでは、中部/新潟線を企業出張にどう活用できるかを提示。冬季の増便や法人向け予約・精算サービスを紹介するとともに、地域間を直接結ぶ航空路線による移動時間の短縮や、その時間が生み出す付加価値を訴求した。

長谷川正樹代表取締役(写真)は、中部/新潟線について、大手航空会社が撤退した路線であることに触れ、「需要はゼロになったわけではない。需要に合った機材とオペレーションコストで、需要を開拓している」と説明した。

同社の堀江貴文取締役は、法人需要について「底堅い」との認識を示しており、需要が落ち込む冬季にも見込める法人利用を取り込みながら、年間を通じた需要の安定化を図る考えだ。あわせて、地域間を直接結ぶ航空路線を通じて、新たなビジネス需要の開拓を進める。

同社は現在、新潟を拠点に丘珠(札幌)、中部、神戸の3路線を展開している。

今冬、中部/新潟線は最大3往復に

同社の中部/新潟線は、2026年12月5日~2027年1月24日、3月9日~27日の期間、毎日2往復、月・金・土・日は昼便を加えて最大3往復を運航する。中部を午前9時30分に出発すれば、新潟には10時40分に到着。午後に商談を行い、17時10分発で中部に戻る日帰り出張も想定する。

法人契約では、24時間365日のオンライン予約・発券、利用後の後払い・まとめ精算に対応。変更が想定される出張用の運賃も用意している。また、全路線の2026年4~8月の就航率は各月97%以上、定時出発率も各月90%以上だったことを示し、出張計画の判断材料として活用してほしいとアピールした。

セミナーには堀江氏と、ATR社日本代表の平野達也氏も登壇した。トキエアが運航するATR72について、平野氏は、これまで日本では離島路線での活用が中心だったと説明。そのうえで、トキエアが本州の地域間路線で活用することで、「新しい人の動きも作れるのではないか」と期待を示した。

平野氏(中央)によると、同程度の輸送規模を担うリージョナルジェットのエンブラエルE170と比べ、ATR72は燃費を約45%抑えられる

冬季需要が「喫緊の課題」、法人・インバウンドも開拓

セミナー後のメディア取材で、長谷川氏と堀江氏に今後の戦略を聞いた。 

同社は2026年3月期末で約29億円の債務超過となっており、収支改善が経営課題となっている。機長の増員によって供給座席数を拡大するとともに、需要開拓を進めて売上の積み上げを図る考えだ。

今後の需要開拓では、企業への情報発信を強める方針で、今回のようなセミナーを通じて利用企業を広げていく。

堀江氏によると、夏場は満席となる日もあるなど需要は堅調で、供給座席数を増やせば、さらに売上を伸ばす余地があるという。一方で、12~2月は需要が落ち込む閑。「冬は本当に閑散期で、そこを何とかすることが、喫緊の課題」と指摘した。

そのなかで、季節に左右されにくい法人需要を重要な需要として位置付ける。冬季の需要を下支えするうえでも、まず法人利用の取り込みを進める考えだ。

さらにレジャー需要では、利用者の行動を具体的に想定した商品づくりに取り組む。例えば、新潟から札幌へスキーやスノーボードに繰り返し出かける利用者を想定し、一定期間に複数回搭乗できるパスと、現地のリフト券やホテル宿泊の割引を組み合わせるアイデアもある。堀江氏は、「一つ一つ、ペルソナをちゃんと考えて積み上げていく施策をおこないたい」と力を込めた。

セミナー登壇時の堀江氏

また、インバウンドでは、海外航空会社の国際線からトキエア国内線への乗り継ぎ需要を取り込む考え。長谷川氏は、海外航空会社との連携を進める方針を説明。将来的には「コードシェアまでできれば一番いい」との考えも示した。現在、台湾の企業とも取り組みを進めており、神戸での実績もある。中部でも、実現に向けて調整を進めているという。

このほか、同社では機体の窓、座席、タイヤ、プロペラ、翼、エンジンなどをモチーフにした「パーツオーナー」型のクラウドファンディングを9月16日から10月30日までCAMPFIREで実施。さらに、搭乗区間をLINE上で記録し、搭乗回数に応じて特典を設ける「トキエア フライトミッションズ」も準備している。こうした取り組みも通じて利用者との接点を広げ、継続的な搭乗につなげることで、需要の裾野を広げていく考えだ。

トラベルボイス編集長 山岡薫