テーマパークの経済効果、投資効果は約2倍、雇用創出は5000人超に ―経済産業省

経済産業省では、このほど「テーマパーク立地の経済効果」の推計結果をまとめた。それによると、基本的な収支パターンは大規模テーマパーク(年間売上1000億円以上)1施設あたりの建設費用が1200億円、営業費用は1354億円、収入は1527億円、また中規模型(同10~1000億円)の建設費用は610億円、営業費用は124億円、収入は137億円となった。

中規模テーマパークの場合、建設投資に対する生産波及額(テーマパークによる生産活動に伴い他産業などで直接・間接的に誘発される生産額)は、建設投資額の約2倍の1167億円で、雇用創出や5000人以上。来場者による飲食・宿泊・物品購入に伴う消費額合計は112億円で、それに対する生産波及額は約2倍の211億円という結果になった。また、各種消費財やサービスを国内調達するかどうかによって、波及効果に影響があることも明確になった。

1テーマパークあたりの基本収支パターンは以下のとおり。

経済産業省 発表資料より

建設、運営、消費面での主な経済効果推計値は以下のとおり。


▼新規建設時の生産波及額は「初期投資額の約2倍」

中規模テーマパークでみると、建設投資556億円に対して生産波及額は1167億円、雇用誘発は5366人となり、投資額の約2倍の生産波及効果が見込まれると同時に、5000人以上もの新たな雇用創出につながることが分かった。

経済産業省 発表資料より

▼開設後の経済効果は、入場料収入と同程度の付加価値誘発と約1.5倍の生産波及額に期待

中規模テーマパークで年間売上68億円(入園料収入のみ)とした場合、生産波及額は約1.5倍の100億円、付加価値額は65億円、雇用誘発効果は約189人。入場料収入と同程度の付加価値額発生が期待できる結果となった。


▼来場者による土産品や飲食、宿泊などの消費額は約110億円

土産品などをすべて国内品で調達するとした場合、中規模のテーマパークの来場者による物品購入、飲食、宿泊支出を加えた合計消費額は112億円。その生産波及額は約2倍の211億円、付加価値額は113億円、1766名の雇用創出が可能というシミュレーション結果となった。一方、消費財やサービスを海外から輸入する想定の場合、生産波及額は190億円、付加価値額は103億円まで落ち込むことが予測された。地産地消の考え方と海外からの輸入の内容やバランスが、経済効果に少なからず影響を与えることが明確になった。

経済産業省 発表資料より

この調査は、国内外からの旅行者の誘致先として重視されるテーマパークの位置づけを検証するための取り組みで、施設の種類を「大規 模(年間売上1000億円以上)」「中規模(同10~1000億円)」「小規模(同10億円未満)」に分類し、2005年版産業連関表、2010年版延長 産業連関表、観光庁「旅行・観光消費動向調査」、「訪日外国人消費動向調査」に基づき分析とシミュレーションを行い、1テーマパークあたりの経済効果を建設、運営、消費や雇用創出などの側面から推計したもの。

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(トラベルボイス編集部)

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