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観光庁、多言語対応のガイドライン案を発表、温泉は「Onsen」に統一など

観光庁は、「観光立国実現に向けた多言語対応の改善・強化のためのガイドライン(案)」を発表した。これは、外国人受け入れのための多言語対応の改善・強化を図るためのもので、平成25年10月から5回の「観光立国実現に向けた多言語対応の改善・強化のための検討会」(以下「検討会」)を経て検討会の案としてまとめられたもの。観光庁では、これを基にさらに検討の上、ガイドラインとして策定・公表していく予定だ。

共通ガイドラインに記載されている主な内容としては、多言語対応の対象となる情報について以下3点を挙げている。

  1. 禁止・注意
  2. 名称・案内・誘導・位置
  3. 展示物などの文章解説

これらの表記に関して、基本ルールを「英語」とし、外国人の来訪者数や施設特性、地域特性の観点から英語以外の表記の必要性が高い施設については中国語・韓国語、その他必要とされる言語を利用する。

また、多言語対応言語の代表例として英語・中国語・韓国語の3言語で400以上の用語・文例の対訳語を記載。空港や地名などの固有名詞や、「立入禁止」などのよく使われる用語・文例を多言語表記する際の表記方法や、非常時の初期対応の基本文例などを具体例を挙げながらまとめている。

例えば、成田空港は「Narita Airport」として英語表記の基本原則とし、清水寺はKiyomizu TempleやKiyomizu-deraが混在している現状から「Kiyomizu-dera Temple」に統一。「寺」を含めた「清水寺」全体を固有名詞として認識されていることから、道を尋ねられた際等でも円滑なやり取りができるように全体をローマ字表記、外国人に意味を理解させるため「寺」の部分の英訳も重ねて付記した。

また、温泉についてはHot Springs やSpaなどとも表記されることが多いが、日本固有の温泉文化を正しく表す「Onsen」との表現が、世界的いに定着しているため「Onsen」に統一するとしている。

なお、同検討会は、学識経験者、外国人、自治体、 関係省庁(内閣官房、文科省、環境省、国交省)、日本政府観光局(JNTO)から構成。平成25年6月11日の観光立国推進閣僚会議において決定された「観光立国実現に向けたアクション・プログラム」に則って、美術館・博物館、自然公園、観光地、道路、公共交通機関等において、外国人目線に立った各分野に共通するガイドラインの作成を検討した。