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アジア3か国で聞いた「日本でやりたいこと」、日本人の日常生活「追体験」が人気、課題は「言葉の壁」

楽天リサーチが、台湾、香港、シンガポールの訪日旅行者300名を対象に実施した調査で、日本でおこなったことのトップは共通して「ショッピング」がいずれの国・地域でも8割以上を占めた。一方、台湾と香港では2位が「麺類(ラーメン、うどん)を食べる」(台湾71%、香港74%)、3位が「温泉入浴」(台湾69%、香港70%)。シンガポールの2位は「ホテルに宿泊」(72%)、次いで「繁華街の街歩き」(71%)の順となった。

「次回日本でやりたいこと」の傾向も今回の旅行の行動とほぼ同様で、ショッピング以外では「温泉入浴」がトップ。また、「日本の日常生活体験」が、台湾と香港で5位に、シンガポールでは6位にランクされた。

楽天リサーチ:報道資料より

さらに、日本に来る前には予定していなかった行動で多かったのは、台湾は「ディズニーランド」訪問(15%)。香港とシンガポールは「温泉・スパ」(香港27%、シンガポール23%)。それ以外には、「日本文化体験」「新幹線/地下鉄/電車体験」などが上位となっている。同社ではこれらの結果より、各国・地域の旅行者は「爆買い」行動だけでなく、日本人の日常やレジャー行動に近い体験を楽しむ様子が浮き彫りになったとしている。


「複雑な電車にのってラーメンを食べに行きたい」 ―人気は日本人の日常の"追体験"

併せて実施したインタビュー/メール調査では、日本の魅力としては「祭り関係のものは興味がある(台湾)」、「フルーツ狩りは日本のイメージがある(香港)」「アジアをいろいろ回ったが日本はほかの国と違う(台湾)」といった意見がみられたほか、「複雑な電車に乗ってラーメンを食べ、非常に丁寧なサービスを受けたい(香港)」など、日本人の日常の追体験に対する人気が多数確認できたとしている。

その一方で、「居酒屋に行きたいけど日本語ができないときつい(シンガポール)」「英語が通じない(シンガポール)」「日本語だけのウェブサイトが多い(台湾)」といった、言葉の壁に起因する問題を挙げる声が複数聞かれたという。また、温泉については「裸でお湯につかる行為に対する賛否が分かれ、この体験はチャレンジの部類に入る(シンガポール)」という意見もあった。

なお、ディズニーランド行きを事前に予定していなかった理由として、「香港での予約方法を知らない」、「台湾から予約すると10~20%の手数料がとられる」といった声も聞かれたという。

この調査は、2016年2月15日から22日まで実施したインターネット調査と、2016年2月23日から3月11日に実施したインタビューから分析したもの。インターネット調査の対象は台湾、香港、シンガポールのモニターのうち、10代から60代の計300人。インタビューは楽天の従業員のうち、30代以下を中心とする台湾、香港、シンガポール出身者21名。