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JTBとパナソニック、インバウンド支援で協業を深化、旅程一元管理システムや手ぶら観光で

JTBとパナソニックは、訪日外国人旅行者の旅程情報統合管理プラットフォーム「Traveler Relationship Management(TRM)」を開発した。

TRMは、2015年6月から両社が共同開発してきたシステム。JTBが保有する旅行者データをパナソニックの専用クラウドを介して各種観光関連サービスに連携させるもの。旅行者が登録した属性情報や旅程情報を一元管理できるため、その後必要なときに情報を再活用できるメリットがある。

このプラットフォームを活用したサービスのひとつは、多言語で観光案内・接客を支援する「ジャパン・フィッター」。パナソニックが情報通信研究機構(NICT)と開発を進める4か国語対応音声翻訳サービスで、観光施設のスタッフと外国人旅行者との会話をサポートできるコンシェルジュ業務機能を目指す。施設内の案内や観光情報、交通情報や医療機関情報なども閲覧できるのが特徴だ。

もう一つの新サービスは、手ぶら観光を支援する「LUGGATE-FREE TRAVEL」。これは、TRMに登録された情報をもとにヤマト運輸が送り状送付発行をサポート。外国人が日本で何度も手書き送り状を書くことなく、荷物の配送手配を実現するという。

※「 LUGGAGE-FREETRAVEL」「JAPAN FITTER」は 商標登録出願中。

両社は実証実験を経て新サービスを2016年度中に商用化する計画。第一弾として、2016年9月より宿泊施設などに「ジャパン・フィッター」に導入し、実運用を開始する。長崎・雲仙の宿泊施設や観光案内所10か所のほか、JTB協定旅館ホテル連盟インバウンド委員会の宿泊施設11か所、都内のホテル6か所でスタッフと旅行者のコミュニケーションに同システムを利用し、音声や翻訳の精度、機器の使用感などを検証する。