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独ルフトハンザ航空、航空券の予約機能を外部公開へ、オープンAPI拡充でコミッションも発生

ルフトハンザ・ドイツ航空は、このほど、自社のオープンAPI(Application Programming Interface)で提供できる機能を拡充した。最大の特長は、外部サービスから同社の航空チケット予約システムに直接アクセスできるようにしたこと。オープンAPIを通じて取扱可能なのは、ルフトハンザ航空のほか、ユーロウイングス、オーストリア航空のチケット。予約が成立した場合には、外部サービス運営者が報酬を得る仕組みも用意する。

APIとは、システム開発でプログラムに使用できる命令や決まり事などの集合体。APIを活用することで、もともとあるプログラムを呼び出し、その機能を組み込んで開発を簡略化することができる。

例えば、イベントチケット販売サイトなどがこのAPIを導入することで、コンサートのチケットと航空チケットを一緒に予約可能となるほか、両商品のパッケージ販売もできるようになる。かたや気象情報サイトに導入すれば、「天気がよさそうな地域への旅行を推奨して予約を促す」といったように、これまでにないサービスの開発も可能だ。同APIはウェブベースとアプリベースのいずれにも対応できる。

今回のオープンAPI拡充は、同社が推進する「オープンイノベーション」戦略のひとつ。同社はこれまでも、チャットボットサービス「Mildred」で外部APIの情報を活用するほか、航空座席の空席状況確認サービス「flightstats」、リアルタイム航空便追跡サービス「FlightAware」などに対してAPIを通じたデータ提供を実施。将来的には、オンラインマーケットプレイスでのチケット取引も可能とする計画という。

同社では「どのようなソリューションを開発するかは、開発者が決めること。合法的に許される範囲であれば、可能性は無限にある」とコメントしている。

なお、今回公開されたオープンAPIを設置した場合、設置者にはネット運賃(運賃総額から税金、燃油サーチャージなどを引いたもの)の1.5%が支払われる。対応窓口は、ドイツ本社側になるという。