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世界2大OTAの1社・プライスライン決算、2016年の総予約額は23%増の約7.5兆円、ホテル予約の成長拡大

世界2大オンライン旅行会社(OTA)プライスラインは、このほど2016年第4四半期決算を発表した。ブッキング・ドットコム(Booking.com)、アゴダ(Agoda.com)、カヤック(KAYAK)など、グループ全体での同四半期の取扱総額は前年同期比26%増の151億ドル(約1兆6600億円)となり、昨年同期の伸び率をさらに13ポイント上回る勢いを見せた。純利益は同34%増の6億7400万ドル(741億円)。

取扱件数ベースでは、前年同期と比べ、ホテルとレンタカーの取扱件数の伸び率がさらに上昇。ホテルは同31.0%増の1億2970万泊、レンタカーは同14.4%増の1400万日だった。しかし航空券は同4.3%減の160万件となり、6四半期連続での前年同期比マイナスに落ち込んでいる。

この結果、2016年度のグループ全体での予約取扱総額は前年比23%増の681億ドル(約7兆5000億円)、純利益は同16%減の21億ドル(約2310億円)。プライスラインでは、第3四半期にのれん減損損失として9億4100万ドル(約1035億円)を計上したことが影響したと説明。非GAAP(米国会計基準)決算での純利益は同23%増の33億ドル(約3630億円)。

また昨年の売上総利益は同20%増の103億ドル(約1兆1300億円)。このうち約9割を占める91億ドル(前年比22%増・約1兆円)が米国外でのオペレーションとなった。

販売形態別にみると、仲介販売(エージェンシー)は総取扱高が前年比22%増の586億3800万ドル(約6兆4500億円)、売上は同22%増の79億8211万ドル(約8780億円)。直接販売(マーチャント)は総取扱高が同25%増の94億5000万ドル(約1兆340億円)、売上が同2%減の20億4800万ドル(約2252億円)。「広告・その他」の売上は同16%増の7億1288万ドル(約784億円)だった。

特に直接販売額は2016年第3四半期に4割増の大幅な伸びを記録。第4四半期は27.8%増とやや収まったものの、年間を通じた成長傾向がみられる。

同社のグレン・フォーゲル最高経営責任者(CEO)は、昨年、取扱いホテル数がさらに拡大したことなどが、宿泊予約数の増加につながったと指摘。2017年も、供給する商品の拡充に力を入れると同時に、ユーザーにとっての使いやすさの追求、効率的なマーケティングへの投資を行うとしている。

※円換算値は1米ドル110円としてトラベルボイス編集部が算出。

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