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インバウンド旅行者の5か国比較、宿泊先から情報源まで傾向の違いが鮮明に ―リクルート調査

リクルートライフスタイルの観光関連調査部門「じゃらんリサーチセンター」はこのほど、5か国(香港、シンガポール、アメリカ合衆国、オーストラリア、フランス)の訪日旅行経験者に対する調査をおこなった。

それによると、直近の宿泊先で多かったのは「中価格帯ホテル」(49.4%)、「高級ホテル」(33.0%)、「日本旅館」(23.8%)の順。リピーターの場合は「リゾートホテル」の利用が多い傾向も確認された。ただし、国別にみるとシンガポールでは「アパートメント、Airbnbなど一般住宅」(35%)が日本旅館の割合を超える人気に。香港では高級ホテルの利用割合よりも「格安ホテル」(30.0%)、「B&B、民宿、ペンション、ロッジ」(29.0%)などの割合が上回る結果となった。米国では「高級ホテル」宿泊者の割合が他国と比較して多い傾向もみられる。

直近の訪日旅行で宿泊した施設は以下のとおり。

リクルートライフスタイル:報道資料より

また、日本到着前に利用した情報源でもっとも多かったのは「宿泊施設ホームページ」(47.6%)。次いで「検索サイト(Google、Yahooなど)」(47.0%)、「宿泊予約サイト(Booking.com、Expediaなど)」(46.0%)、「航空会社ホームページ」(43.6%)、「旅行会社ホームページ」(43.4%)の順となった。

また、利用する情報源も国によって傾向が異なる。例えば、香港では利用する情報源が複数あるのが特徴で、「検索サイト」「宿泊予約サイト」などが6割以上となったのに加え、他の国と比較して「SNS(Facebook、Twitter、Weiboなど)や個人のブログ」「テレビ番組」「新聞・雑誌」「旅行ガイドブック(Lonely Planetなど)」利用率も多い。

一方で、シンガポールは「日本政府観光局ホームページ」「クチコミサイト(TripAdvisorなど)」の利用率が高い。

リクルートライフスタイル:報道資料より

なお、訪日旅行中にもっともよかった点は「おいしい飲食店の多さ」(49%)。次いで「地元の人のホスピタリティ」(43%)、「魅力ある飲食店の多さ」(43%)と続いた。良くなかった点については「当てはまるものがない」(32%)との回答が最多となった一方、「地元の人との多言語でのコミュニケーション」(19%)、「飲食店のスタッフの多言語での対応力」(19%)など、外国語対応に関する課題も浮き彫りになった。

また、「訪日旅行を楽しむために必要なサービス」として期待される対応は、「公共交通の乗り方の利便性」(35.8%)が最多。そのほか、「ネット環境の良さ」(28.6%)、「公共交通機関の快適性(乗り心地、乗務員の対応)」(28.0%)、「両替・ATM・クレジットカード等の利用しやすさ」(27.6%)といった滞在中の利便性向上に関する項目が上位になっている。

この調査は、5か国(香港、シンガポール、アメリカ合衆国、オーストラリア、フランス)に居住し、過去1年以内にプライベートで訪日旅行を経験した500名(各国100名)を対象に実施したもの。調査期間は2016年9月14日から28日まで。