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HIS傘下のホテル運営会社が経営戦略を発表、ロボット接客の「変なホテル」でビジネス向け展開、システム販売も計画

エイチ・アイ・エス(HIS)グループのホテル事業会社H.I.S.ホテルホールディングスは、2017年3月15日の「変なホテル舞浜 東京ベイ」の開業にあわせ、経営戦略と事業展開を発表した。

同社は今後5年間で100軒のホテル運営を目指し、2016年秋に設立した新会社。その方法として、(1)自社開発・運営、(2)マネジメント契約(フランチャイズとリース契約含む)、(3)M&Aの実施、の3つの手法を提示していたが、代表取締役社長の平林朗氏は今回、新たにブランド展開についても発表。

「変なホテル」2号店のオープニングセレモニーには、浦安市副市長の中村健氏の姿も

ロボットホテルの「変なホテル」は、レジャー向けの「変なホテル」、業務出張者向けの「変なホテル(ビジネスユース)」(仮称)に分け、既存の「ウォーターマークホテル」を加えた3つのブランド展開を予定する。

具体的には、レジャー向けの「変なホテル」では、今回オープンした「変なホテル舞浜 東京ベイ」のように、ロボットやテクノロジーを駆使したエンターテイメント体験を提供。一方のビジネス向け「変なホテル(ビジネスユース)」では、都市宿泊型のローコストホテル(LCH)とし、究極のコストパフォーマンスとともに滞在前後のビジネス活動を高めるための快適性を追求する。

また、既存の「ウォーターマークホテル」は人のサービスを提供価値とするが、その価値を高めるためのテクノロジーを「変なホテル」から取り入れ、さらなる品質向上を図る考えだ。

平林氏は同社の運営方針として、HISの37年間の旅行業経験を活かし、「滞在後の旅行やビジネスシーンを良くする。滞在後のケアができるようなホテルを目指している」と説明。そのため、効率性、エンターテイメント性、快適さ、利便性の4つをコアバリューとして追求し、そこにロボット技術を導入して、世界一の生産性を目指す。

HISホテルホールディングスでは今回の開業で13軒を運営することになるが、2017年中に30軒に拡大する予定。新ブランドのビジネス向け「変なホテル」も今年中の開業を目指す。

今後の展開先については愛知県蒲郡のテーマパーク「ラグーナテンボス」で3軒目となる「変なホテル」を2017年8月に開業。今後2年間をめどに、東京や大阪、京都、海外では中国、台湾、オセアニアにも展開する予定だ。

さらに、ラグーナテンボスでの開業後は、計3軒の運営実績を集積し、「変なホテル」の効率化を実現するホテルシステムを構築。ロボットとセットで販売する計画も明かした。民宿や旅館など、規模が小さくてシステム化されてない施設も対象に、5年後に世界1000軒での導入を目指す。平林氏は「既存のホテル業界になかったビジネスモデルを展開し、ホテルのゲームチェンジャーを目指す」と意気込みを語った。

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取材:山田紀子(旅行ジャーナリスト)