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日本の統合リゾート(IR)への期待は二極化? 欧米豪市場で3割が「関心はない」、アジア市場は4割が「行ってみたい」

日本政策投資銀行(DBJ)と公益財団法人日本交通公社(JTBF)はこのほど、アジア・欧米豪12地域を対象とする訪日外国人旅行者の意向調査(2017年版)の一環として、日本の統合型リゾート(IR)への関心度を分析した。それによると、日本にカジノなどを含む統合型リゾートができたら「ぜひ行きたい」「機会があれば、行ってみたい」と回答は全体の約6割だった。その内訳をみると、アジアでは「機会があれば、行ってみたい」が42%、欧米豪では「関心はない」(34%)が最多となり、二極化傾向がみられた。

国・地域別では、IRに「ぜひ行きたい」と回答した割合が多いのは、タイ(合計48%)、インドネシア(44%)、中国(33%)の順。一方で、豪州、英国、フランスはいずれもほぼ3割以上が「関心はない」と回答。欧米豪では唯一、米国で「ぜひ行きたい」(35%)が最多となった。

統合型リゾート(IR)への訪問意向は以下のとおり。

DBJとJTBFによる発表資料より

IRで行ってみたい施設をみると、アジア全体では「商業施設」(54%)、欧米豪全体では「ホテル」(46%)が最多。「カジノ」との回答は、アジア・欧米豪いずれも7%のみにとどまる結果に。

また、「カジノに行きたい」との回答者に対してカジノで使いたい金額を尋ねたところ、最多帯は「50~90米ドル(約5500円~9900円)」の16%、次いで「100~199米ドル(約1万1000円~2万2000円)」の15%。ただし、中国では300米ドル~2999米ドル(約3万3000円~33万円)に回答が集中する結果となった。

この調査は、20歳から59歳までの男女のうちアジア・欧米豪12地域(韓国、中国、台湾、香港、タイ、シンガポール、マレーシア、インドネシア、アメリカ、オーストラリア、イギリス、フランス)への海外旅行経験者を対象に実施したもの。調査期間は2017年6月29日から7月12日まで。有効回答者数はこれら地域に住む6274名。中国は北京および上海在住者が対象。

詳細レポートは以下から参照できる。

日本政策投資銀行