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外国人訪問者数が多い世界都市ランキング2019、トップ3はアジア勢が独占、東京はアジアで10位に ―ユーロモニター調査

グローバルで市場調査を行うユーロモニターインターナショナル社はこのほど、外国人訪問者数でみた世界の都市トップ100の最新版を発表した。それによると、2019年の訪問者数1位は香港(2671万6800人)、2位がバンコク(2584万7800人)、3位がマカオ(2063万7100人)とアジアがトップ3を占める見通し。ただ、香港は長引く政治不安や抗議活動から前年比8.7%減と低迷し、バンコクが肉薄している。

トップ100のうち、日本は東京が総合17位(4.6%増・998万5100人)を筆頭に、28位に大阪(19%増・786万1500人)、67位に京都(3%増・329万4200人)、86位に千葉(10.4%増・268万3900人)、93位に福岡(20.3%増・243万6900人)がランクインした。

なかでも千葉は5年前の順位が106位、福岡は104位で、大幅に上昇している。福岡がトップ100に入ったのは初めてで、ユーロモニターが注目する世界4都市の1つにも選出されている。また、東京の2019年は推計で1000万人の大台を超える見通し。万博開催で注目が高まる大阪も900万人に近づくなど躍進が見込まれている。

2018年の実績でトップ100のうち半分弱の43都市を占めたのがアジア。香港や隣接する深圳は苦戦しているが、マカオやインド勢の成長が目立っている。特に、中国のアウトバウンド市場が拡大するにつれ、多くの国々がWeChatなど中国で利用されているソーシャルメディアを通じて中国人旅行者を獲得する動きが広がっている。

デジタルプラットフォームがトレンドに

ヨーロッパもアジアに次ぐ32がランクインしたが、EU離脱で混乱する英国のロンドンが減少に転じ、2018年は世界で3位をキープしたが、2019年はランクを2つ下げて5位になる見込みだ。

ユーロモニターでは、多くの都市が人口過密、公害、運輸管理といった問題に直面しており、「空港の処理能力拡大、スマートシティ構想、デジタルプラットフォームの採用が、旅行分野の効率改善や規模拡大に関する重要なトレンドになる」などと指摘している。

全体およびアジアのランキング上位都市は以下のとおり

世界TOP30都市・総合ランキング

※順位:都市(国) 2018年外国人訪問者数(前年比)/2019年推計値(前年比)

アジアTOP10都市ランキング

同調査は世界400以上の都市への外国人旅行者を対象に実施。ランキングは都市部に重点を置くため、ビーチやスキーリゾートは基本的に除外している。海外都市での滞在期間は24時間以上かつ12カ月未満の場合を「旅行」とみなし、1回の旅行で複数都市を訪問する場合は、それぞれ別にカウントしているため、訪問者数は延べ人数となる。日帰り客、乗り継ぎ客、クルーズ客、外国で雇用関係にある人、軍関係、交通運輸関係のクルー、避難民などは集計の対象外としている。

レポートの詳細は以下からダウンロードできる。

外国人訪問者数 世界TOP100都市 2019版