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【年頭所感】JTB代表取締役社長 髙橋広行氏 ―旅行にとどまらない「JTBならではの価値提供」へ

JTB代表取締役社長の髙橋広行氏が2020年を迎えるにあたって年頭所感を発表した。

髙橋氏は東京オリンピックについて、オールジャパンで盛り上げ、2025年の大坂万博まで続く流れの中で日本の良さを周知する機会とし、訪れる世界の人々との交流の中で日本人の海外旅行も伸長させる双方向交流の増加を目指す意欲を強調。旅行市場の環境変化にも言及し、自社にない技術やノウハウを持つ事業者との戦略的提携を含むソリューションビジネスを推進し、旅行にとどまらない「JTBならではの価値提供」を目指すとしている。

発表された内容は以下のとおり。原文のまま掲載する。


2020年 年頭所感

新春を迎え、謹んで新年のご挨拶を申し上げます。

平成から令和へと新しい時代を迎えた2019年はまさに“グローバルMICEの年”でした。国を挙げて執り行われた「即位の礼」関連式典があり、また大型の国際会議も複数開催され、何といってもラグビーワールドカップ2019日本大会(RWC2019)は、日本中に熱狂と感動を巻き起こしました。世界中から訪れた方々に日本全国の豊かな文化や地域の魅力、そして日本人の“おもてなし”を感じてもらえる絶好の機会となりました。年間訪日外国人数は、日韓問題の影響が大きかったものの、全体としては引き続き好調に推移しています。また、海外旅行はヨーロッパ、ハワイ、アジアでは台湾の好調もあり、日本人海外旅行は2000万人市場へと伸長しています。

一方で台風や大雨といった自然災害も多く発生し、被害を受けられた地域も広範囲にわたり、年が明けても復旧の道半ばです。そして世界遺産に登録され、沖縄県の象徴でもある首里城の大部分が焼失するという痛ましい火災も発生しました。これらの災害からの一日も早い復旧を願い、あらゆる支援活動を継続していきます。

本年はいよいよ東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会(東京2020大会)が開催されます。当社はオフィシャルパートナーとして、公式観戦ツアーや日本初のホテルシップ(横浜)を展開いたします。またRWC2019でスポーツホスピタリティ商品を販売した実績とノウハウをもとに、協業先とコンソーシアムを組み、Tokyo2020組織委員会から運営を受託し「東京2020オリンピック競技大会公式ホスピタリティパッケージ」の販売を開始しています。東京2020をオールジャパンで盛り上げ、来年のワールドマスターズゲームズ関西、そして2025年大阪・関西万博へと続く流れの中で、開催地だけでなく日本国内を周遊観光していただくことで広く日本の良さを知っていただく機会とすること、そして訪れる世界の人々との交流によって2000万人市場となった日本人の海外旅行を更に伸長し、双方向の交流人口の増加につなげていくことが重要だと思っております。 交流創造事業をドメインとする当社として、その役割をしっかり果たしてまいりたいと思います。

旅行市場においては、「Web化」「FIT化」や急速に進展しつつある「ダイナミック化」等の環境変化に対応していきます。お客様との最大の接点となっているウェブについては重要な販売チャネルの一つとしてサイト力を強化し、デジタルとヒューマンタッチを融合したサービスの提供により、お客様のニーズに応えていきます。


さらには、自社にない技術、ノウハウ、企業文化を持つ事業パートナーとの戦略的な連携も含め、ソリューションビジネスを推進します。

2020年は「第三の創業」と位置付けた経営改革をさらに推し進め、旅行にとどまらない、「ひと」「もの」「情報」全てが交差する「交流」の場面をフィールドとして、「JTBならではの価値」の提供を目指します。

本年も何卒よろしくお願い申し上げます。

株式会社JTB


代表取締役社長 髙橋広行

※髙橋氏の「髙」ははしごだか。