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ブッキング・グループ決算、2019年は純益2割拡大、新型コロナの影響で2020年前半の見通しに危機感

ブッキング・ホールディングスが発表した2019年第4四半期決算によると、グループ全体での取扱予約高は前年同期比6%増の207億ドル(約2兆2770億円)、このうち宿泊取扱いは同12%増。売上高は同4%増の33億ドル(約3630億円)、純利益は同81%増の12億ドル(約1320億円)となった。

この結果、2019年通年での決算は、取扱予約高が前年比4%増の964億ドル(約10兆6040億円)、売上は同4%増の151億ドル(約1兆6610億円)、純利益は同22%増の49億ドル(約5390億円)。ただしこの中には、保有株式などの含み益7億4500万ドル、同損失3億6700万ドルが含まれる。

グレン・フォーゲル最高経営責任者(CEO)は「満足できる結果となった。新型コロナウイルスの影響により、世界的な旅行需要の直近の見通しは不透明だが、長期的展望に立ってビジネスを適切にかじ取りする」とコメント。

2020年第1四半期については、すでに深刻なマイナス影響がすでに出ており、どの地域でどの程度の打撃が旅行パターンに及ぶかは予測不可能としつつ、現状をベースにした場合、同四半期の宿泊予約の取扱い泊数は前年同期比で5~10%減、総予約高は同10~15%減、売上は3~7%減と試算した。

売上の内訳を取引形態別に見ると、マーチャント(買取方式)ビジネスの拡大が続いており、年間では同28%増の38億3000万ドル(約4213億円)。これに対し、大半を占めるエージェンシー(代理店方式)ビジネスは同3.5%減の101億1700万ドル(約1兆1128億円)。

なお、スキフト報道によると、個人所有物件を含む戸建て物件や民泊利用の売上は、前年比14%増の31億ドルとなり、全体の21%を占めた。

支出項目では、諸経費合計が5.8%増の97億2100万ドル(約1兆693億円)に拡大。このうち半分弱を占めるパフォーマンス広告費は、前年よりわずかに減少し44億1900万ドル(約4860億円)。そのほかはいずれも増加し、ブランドマーケティング費(7.6%増)、営業関連(15%増)、総務管理(14%増)、IT関連(22.3%増)など。

※円換算値は1米ドル110円としてトラベルボイス編集部が算出した。