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じゃらん宿泊旅行調査、2019年度の宿泊旅行実施率は過去最低、新型コロナで2020年3月の大幅減響く

リクルートライフスタイルが発表した「じゃらん宿泊旅行実施調査2020」で、2019年度(2019年4月~2020年3月)の宿泊旅行実施率は53.6%と過去最低になった。2018年度の56.4%より2.8ポイント減少。新型コロナウイルスの影響に伴う2020年3月の旅行件数減少が響いた。旅行を行った人の平均旅行回数は2.7回、平均宿泊数は1.8泊となり、延べ宿泊者数は8.1%減の1億3575万人、延べ宿泊数は7.7%減の2億4393万泊となった。

実施率を性年代でみると、35~49歳男性を除き、どの属性でも前年度を下回った。最も高いのは例年と同じく20~34歳女性の61.4%(前年度より2.9ポイント減)で、依然として旅行需要をけん引している。

発表資料より

月別では2019年度上期は2019年4、5月が好調で1.4%増となったが、2020年3月の57%減が大きく響き、下期は15.5%減と落ち込んだ。3月は特に35歳以上の女性、65歳以上の男性が大きく減少。旅行形態では家族旅行、友人旅行、団体旅行が大きく減少している。居住地別ではすべてのエリアで減少しているものの、東北や関西、九州での自地域内での旅行は比較的減少幅が小さかった。

宿泊旅行費用の総額は6.1%減の8兆1215億円で、1回あたりの宿泊旅行費用は平均5万9800円で1300円アップ。旅行形態別でみると、個人旅行が7兆453億円で全体の86.7%を占めた。単価では個人旅行は5万7400円となり、前年度より700円増加。一方、パック旅行は前年度に比べ6500円増の8万1800円となった。

発表資料より

宿泊旅行の同行者で最も多いのは例年と同じく「夫婦二人での旅行」で25.2%。また、「一人旅」が0.6ポイント増の18.6%と、さらにシェアを拡大した。特に、20~34歳の男性は約3割を「一人旅」が占めている。

このほか、都道府県別の延べ宿泊旅行者数では、1位東京(1447万人)、2位北海道(1091万人)、3位大阪(739万人)、4位静岡(665万人)は変わらないが、5位には前年度6位の長野(630万人)がランクアップ。伸び率では1位が福井県(13.6%増)、2位が宮崎県(10.1%増)、3位が福岡県(3.9%)だった。

この調査は、毎年7月に発表されているもので今年で16回目。観光宿泊旅行(レジャー)に特化しており、出張・帰省・修学旅行などを除く宿泊旅行動向をまとめている。インターネットで全国20~79歳の男女に1万5724名(旅行件数ではは3万519件)に2020年4月1日から20日に聞いた。