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国際航空運送協会、今年の旅客需要を66%減に下方修正、国際線の回復には検査体制の確立がカギと提言

国際航空運送協会(IATA)は、今夏の旅行需要が予想よりも下回ったことから、2020年の旅客数の予測を前回発表した前年比63%減から同66%減に下方修正した。

8月の旅客需要は旅客キロ(RPK)ベースで同75.3%減。国内線の回復により7月の同79.5%からは若干改善したものの、依然として大幅な下落に終わった。供給は座席キロベースで同63.8%減。搭乗率は8月としては過去最低の58.5%だった。

8月の国際線の旅客需要は、7月の同91.8%減を若干上回ったものの、依然として同88.3%減と大幅な下落。一方、国内線では同50.9%減で、7月の56.9%減から緩やかな回復を見せた。

地域別で見ると、内際線合わせて、旅客需要の下落率が大きかったのは中東で同91.3%減。アジア太平洋は最も下落率が低く、同69.2%減となった。

IATAのアレクサンドル・ドゥ・ジュニアック事務総長は、例年であれば、航空会社は夏の繁忙期で稼いだ収益で、需要が落ちる秋から冬を乗り切るが、今年は史上最悪の財務状況で閑散期を迎えることになると警鐘を鳴らしている。

また、この状況を踏まえて、改めて各国政府による航空会社への財政支援と雇用維持支援を求めたほか、国際線復活に向けては隔離措置が障害になっているとの認識を示したうえで、一部航空会社が試験的に乗客への検査を開始したように、各国政府が協調して航空旅行での体系的な検査体制を確立することが重要との見解を示した。