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JAL、新株発行で1680億円の資金調達、再上場以降で初の公募増資、A350導入やLCC事業の強化などに充当

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JALは、国内外での一般公募と第三者割当による新株式発行によって、上限1680億円の資金を調達する。ポストコロナにおける事業構造の見直し、安全・安心の向上、社会的課題の取り組みを加速させる考え。公募増資は、2006年度以来で、2012年の再上場以降では初めてとなる。

具体的には、CO₂排出量削減を加速させ、社会的課題解決実現のための投資として、2023年3月末までに、800億円をA350型航空機の導入資金に充当。2013年10月にエアバスと締結した契約に基づき、2020年11月6日以降に25機(確定発注分)を導入し、国内線と国際線の主力航空機であるボーイング777と代替していく。

また、LCC事業を強化。2023年3月末までに 50億円を中長距離国際線LCC 事業を展開する ZIPAIR Tokyo向けボーイング787の改修費用に充当する。また、2023年3月末までに、100億円を業務提携相手であるジェットスター・ジャパンと春秋航空日本に対する投融資資金に充当する予定。

さらに、ポストコロナの社会的ニーズに対応するために、空港での高度な清潔性、非接触化およびモバイル化を推進。2023年3月末までに、50億円を「SMART AIRPORT」化のための設備投資資金に充当する。

このほか、有利子負債の返済については、社債償還、借入金返済および航空機リースの返済として、2020年度に300億円、2021年度に500億円、2022年度に500億円を予定しており、今回の調達資金の一部をその返済に充当する。

JALグループは、新型コロナウイルスによる影響が続くなか、2020年2月以降、約3000億円を借入れた。また、2000億円の未使用のコミットメントラインを確保しているが、追加で1000億円のコミットメントラインを設定し、合計3000億円とすることで手元流動性の確保に努めているところ。

JALグループは、2021年3月期の純損益が2400億円から2700億円の赤字になると予測している。