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東京商工会議所、公共交通支援で、国への要望を取りまとめ、GoToは柔軟な運用を

東京商工会議所は、交通運輸部会および首都圏問題委員会において、「新型コロナウイルス感染拡大の影響を踏まえた公共交通に係る要望」取りまとめた。東京商工会議所では今後、国土交通省などの関係先に対して要望の実現を働きかていく考え。

要望では、新型コロナウイルス感染拡大の影響により公共交通機関の利用者が大きく減少し、人々の行動変容によりアフターコロナにおいても利用者需要は以前の水準には戻らない見込みのなか、公共交通の利用促進や資金繰り支援、人材・設備投資等に対する支援を求めている。

また、今春に策定予定である次期交通政策基本計画について、公共交通事業者が持続可能なビジネスモデルへの構造改革や、サービスの高度化などを推進するための後押しとなるよう、DXの推進や温室効果ガスの削減に向けたエネルギー施策の推進、柔軟な運賃制度の実現なども要望している。

このうち、公共交通の利用促進に向けた支援では、GoToトラベルキャンペーンに言及。この事業は公共交通を含めた観光産業全般、引いては日本の社会経済活動のレベルを確実に引き上げるうえで重要な施策と位置づけたうえで、各地域の実情に合わせて柔軟に運用していくことを求めた。

また、事業の延長に際しては利用が遅れている地域への配慮や、平日への旅行需要の分散、公共交通の活用推進などへの目配りが必要としたうえで、キャンペーンの終了で観光需要が急速に冷え込まないように、段階的に補助率を引き下げるなど、ソフトランディングのための出口戦略についても検討することを求めた。

このほか、国際的な人の往来の回復に向けて、検査基準の標準化や入国規制の緩和、公共交通事業者への速やかなワクチン接種を要望した。

次期交通政策基本計画に関する要望では、DXの推進として、MaaSの推進が必要性にも言及しているほか、社会変化に対応した環境整備として、交流人口・関係人口の拡大、ブレジャーやワーケーションの推進、分散型旅行の推進も求めた。