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東京スカイツリーが尽力するEチケット販売、リンクティビティとの連携の進化で広がる魅力創出と営業戦略(PR)

東京観光のシンボル「東京スカイツリー(R)」は、2020年に開始したEチケット予約プラットフォーム「リンクティビティ」との連携を拡大している。まずは東京スカイツリーの入場券のEチケット販売からのスタートだったが、2021年6月には東京スカイツリー展望台の入場券と周辺の観光コンテンツのチケットをセットにした「スカイツリーエンジョイパック」の販売を開始。ホテルでの委託販売や企業の福利厚生サービスとの連携など、販売チャネルも拡大している。

2021年は断続的な緊急事態宣言やまん延防止等重点措置で、観光需要は大きな影響を受けていたが、東京スカイツリーではコロナ後を見据え、Eチケットを活用した販売拡大戦略を続けた。東京スカイツリーが注力するチケット改革。その効果と今後の展望を、両社の担当者に聞いた。

お得なセット商品は東京スカイツリーにも大きな効果

スカイツリーエンジョイパックは、東京スカイツリー展望台(天望デッキ・天望回廊)と周辺の観光コンテンツの利用券をセットにした商品。単品でそれぞれ購入するよりも、お得な価格設定で提供している。第1弾として、東京スカイツリータウン(R)内の人気施設の「すみだ水族館」や「コニカミノルタプラネタリウム天空」を一緒に楽しめるプランと、浅草のアクティビティ事業者が提供している瓦割りや着物レンタル、抹茶体験・和菓子づくり体験などの文化体験ができるプランを発売した。

さらに、2021年10月には浅草の文化体験に「江戸切子体験」を加えたほか、11月には東京スカイツリータウン内の「東京ソラマチ(R)」で期間限定のアイススケート、東京メトロと東京都交通局の企画乗車券「Tokyo Subway Ticket」、2階建てオープントップバス「スカイホップバス東京」、有明の屋内型ミニチュア・テーマパーク「SMALL WORLDS TOKYO」など、セットに組み込む商品の種類や対象のエリアも広げ、現在は全12商品を展開しているところだ。

当初、スカイツリーエンジョイパックの発売は2020年12月の予定だったが、感染状況等を踏まえて翌年6月に延期。東京スカイツリー観光営業部の早野拓海氏によると、販売開始後に東京が緊急事態宣言期間に入ったため、当初は苦戦したものの、徐々に認知が広まり、例えば「スカイツリーエンジョイパックの利用者数は当初予想を超え、半年で1万人を超えた」(早野氏)という。特に、緊急事態宣言が解除された2021年10月以降の販売は好調で、同年9月比で10月は2倍、11月は3倍、12月は3.5倍と、右肩上がりに伸びた。

苦戦した中でも販売を続けたことで、新しい需要も獲得できた。浅草の商品群は、当初はインバウンドの回復時の需要を見込んでいたが、「意外にも日本人にも人気があることがわかった」(早野氏)。コロナ禍で遠方からの観光客が激減するなか、スカイツリーや浅草の定番観光を楽しむ都内在住者が多く、その需要に合致したという。

東京スカイツリーのサイト内の商品紹介ページ。リンク先をクリックすると商品販売ページに遷移する

商品紹介ページから遷移した東京スカイツリーエンジョイパック販売画面

パートナー拡充にリンクティビティの“分かりやすさ”が寄与

早野氏は今後の販売拡大に向けて課題も口にする。その1つとして、スカイツリーエンジョイパックのパートナーの開拓は不可欠。セット販売に組み込む地域の観光施設や体験を提供する事業者に、リンクティビティの仕組みを理解し、デジタル化に取り組んでもらう必要がある。この点でも早野氏は、「リンクティビティの仕組みでは精算が一本化でき、小規模事業者にも使いやすい。パートナーからも、QRコードによる発券も利便性が高く、扱いやすいと聞いている」と、そのメリットを話す。

一方、リンクティビティにとっても、スカイツリーエンジョイパックは初めて、複数の事業者を組み合わせた商品販売になる。実際のシステム稼働や販売の前には、東京スカイツリーと一緒に、予約から当日の入場券の引換までの流れをシミュレーションした上で、分かりやすい販売ページの構築に努めたという。

リンクティビティのカスタマーサクセスチーム・マネージャーのウィリアムズ直子氏は、「セット商品のシステム構築はできていたが、ローンチに向けては事業者によって利用条件が異なるため、その調整に力を注いだ」と明かす。東京スカイツリーでのセット商品拡充で、「1種類のバウチャーで複数施設のシームレスな利用ができることを広くアピールできた」との手ごたえもあり、今後のパイロットモデルになると期待する。

東京スカイツリー観光営業部の早野拓海氏

Eチケット化で販路拡大、ホテルや一大会員組織・福利厚生企業との連携も

東京スカイツリーでは、東武グループの「オフィシャルホテル」10軒、東京スカイツリー近隣の「フレンドシップホテル」2軒に加えて、2021年6月からは「パートナーホテル」のカテゴリを新設し、157施設と契約。ホテルでの入場券の委託販売も強化した。

東京スカイツリー観光営業部主任の菊地孝信氏は「課題だった収益確保と販路拡大を解決するため」と説明。ホテル側もコロナ禍で平均客室単価が下がるなか、東京スカイツリーを付加価値として販売したい意向が強まっており、「東京スカイツリーを中心にビジネスが広がる」と相乗効果に期待をかける。

東京スカイツリー観光営業部主任の菊地孝信氏

同社観光営業部主任の田淵理一氏は、「これまでは総合ホテルでの販売委託だったが、パートナーホテルには宿泊特化型ホテルを加えた」と、ホテルでの委託販売を一気に拡充する方針を説明する。

パートナーホテルの追加を機に、ホテルでの委託販売をデジタル化した。「入場券は基本的に天望デッキ、天望回廊、大人料金、子供料金と4つの組み合わせがある。各ホテルが紙チケットを保管し、在庫管理をするのは大変だった。これが、リンクティビティとの連携によって簡易化された」(田淵氏)。在庫管理はPCのブラウザで操作し、入場券はQRコードのチケットを印刷して手渡せるので、多くのホテルで対応できる仕組みになっているという。

さらに、企業の福利厚生サービスでも2021年8月から、入場券のオンライン販売を開始。現在5社と契約している。以前から福利厚生サービスとの契約はあったが、利用者は入場の際に販売窓口で各サービスの会員証を提示し、その場で購入する必要があった。東京スカイツリー観光営業部の柳田夏希氏は「それがリンクティビティと福利厚生サービスが連携したことで各サービスでのオンライン販売が実現し、QRコードで券売機での入場券発券ができるようになった」と説明する。

福利厚生サービスの特典内容はそれぞれ異なるため、現場スタッフの負荷も大きかった。「それをQRコードが解決してくれた」(柳田氏)。数百~千万人の規模の会員を抱える福利厚生サービスでのチケット販売が改善することで、来場者数が増加することを期待している。

東京スカイツリー観光営業部の柳田夏希氏

デジタルで広がる観光の力

東京スカイツリー展望台の入場券は、天候を見極めたい意向が影響し、当日券の利用が圧倒的に多い。それでも、Eチケット販売を拡大させる方針だ。田淵氏は「オンライン予約で事前予約数を把握できれば、運営オペレーションの体制を整えることができ、混雑回避にも繋がる。さらには悪天候時には安定した来場者数を確保することにもつながる」と話す。

今後、インバウンドが回復する中で、東京のランドマークである東京スカイツリーへの来場者はコロナ以前のように増えると予想される。実際、ビジネス目的の入国が緩和された2021年11月、限られた滞在期間に少しでも東京を楽しもうとする海外の出張者の姿が見られたという。国内と訪日、双方の市場において、予約と決済が一体となったシームレスなオンラインチケット販売は、事業者にとって大きな武器になるはずだ。

「事業パートナーとの、人と人のコミュニケーションが営業の基本だが、リンクティビティのプラットフォームを通じてデジタルでも繋がることが、これからの営業活動において必須になっていく。オンライン・オフライン共通の観光プラットフォームを構築し、東京スカイツリーが中心となって観光を盛り上げたい。その取り組みがいずれ、持続可能な観光の成長に繋がると思う」と田淵氏。周辺の観光コンテンツを掘り起こし、各事業者と連携して、面で東京の観光の魅力を訴求していきたい考えだ。

東京スカイツリー観光営業部主任の田淵理一氏

そのためには、リンクティビティのプラットフォームとしての成長も求められる。同社では機能向上に常に取り組んでおり、その1つとして、多言語対応可能なチャットボットを、東京スカイツリーの販売ページでリリースした。また、Eチケットの仕組みについても、現場でQRコードを読み込む作業が難しい事業者にも対応できるよう、デジタルチケットなどの新しいEチケットの実用化に向けた取り組みを進めている。

リンクティビティ国内事業提携チームマネージャーの小林美恵子氏は、「機能の拡充はもちろん、常に連携先も広げている。事業者単体では難しい販路の拡大やシステム構築を弊社が担うことで、観光産業全体のDXを推進したい。観光局やDMOなどとも連携し、地方の集客に貢献したいと思っている。さまざまな事業連携の中で、新しい可能性を提供していく」と話す。デジタルで事業者がリンクすることで、観光の力が強まっていく。その仕組みを支えるのが、リンクティビティのプラットフォームである。

広告:リンクティビティ(Linktivity)

関連ページ:東京スカイツリーエンジョイパック販売ページ

問い合わせ: info@linktivity.co.jp

記事:トラベルボイス企画部