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GW開業の新たなグランピング施設を取材した、ドーム型テントにプール付きヴィラタイプ、ワーケーション対応も

京丹後市に本社を置く、にしがき社が2022年4月29日にグランピング施設「グランドーム富士忍野」を開業した。

丹後・但馬地域で24店舗のスーパーマーケット事業を展開する同社は、1986年にリゾート事業を開始。当初はリゾートマンション分譲を中心に10棟を展開していたが、バブル崩壊を経て、現在は宿泊施設の直接運営と開業・集客支援(コンサル)を行っている。

グループ会社での運営を含む直営の宿泊施設は、高級旅館「天橋立離宮 星音」や高級ヴィラ「MEZZO ALL SWEET VILLAS」をはじめ全国26施設。開業支援によるプロデュース施設は、開発準備中の案件を含めて全国80施設以上に及ぶ。これらの成長をけん引するのは、2018年に開始したグランピングだという。

海外発祥の贅沢なキャンプ体験「グランピング」。いまや日本でもその言葉が一般化し、日帰りバーベキューから宿泊までさまざまなサービスへ、日本独自の進化を遂げている。

同社のグランピングの特徴は「プライベート感を重視した、高規格なグランピング」。「グランピングは女性のニーズにこたえることが重要」と見定め、女性客の支持を得られるサービス提供を重視している。サイトは独立型で、専用のトイレ・風呂を設置。バーベキューや食事場所もサイト内で対応可能にした。1棟の収容人数も多いことから、コロナ禍において「マスクを外して家族水入らずで過ごせる」と支持を受け、2世帯、3世帯家族の利用が増加しているという。

グランピングで多く利用されるドーム型テント。写真は「グランドーム富士忍野」。4つのベッドとソファを配置しても十分なゆとりがある

今回開業するグランドーム富士忍野は、直営施設としては富士山エリアでの初出店。10月には山中湖にヴィラを、河口湖には愛犬同伴可能なグランピングも開業を予定する。にしがき社では今後、グランピング以外にもホテル業態の再生案件も手掛ける予定。中期目標として2025年には直営・開業支援の施設数を300施設に広げ、リゾート事業の売上高100億円の達成を掲げている。

以下、グランドーム富士忍野を写真で紹介する。

▼富士山の絶景に入り込んだ滞在を実感させるグランピング施設。富士山からの湧水が流れこむ桂川のほとりに建つ。ドーム型テント5棟と木造テント2棟、プール付きヴィラタイプ1棟で構成。中央のキッチンカーでは夜に山梨産ワインを提供。

▼各棟のサイト内には専用のキッチンや食事スペース、風呂、トイレのある別棟を設置。雨天でもデッキの屋根の下や、この別棟内でバーベキューが可能。

▼一番高級な宿泊棟のヴィラタイプは、3LDKでプライベートプールも設置。木の塀の奥にはプライベートサウナも。富士山を見ながらのワーケーション需要を見据え、デッキにも電源付きデスクを設置。

▼各棟には専用のトイレと風呂を完備。風呂には湯河原から運んだ温泉を張る。追い炊き機能があり、24時間入浴可能。温泉はグランピングにとって、冬の稼働を維持する重要なアイテムだという。

▼夕食はサイト内デッキでのバーベキュー。山梨・忍野エリアを中心とした贅沢な食材を用意。山梨県の最高級黒毛和牛「甲州牛」はステーキ、名水で名高い忍野村で養殖されている「忍野サーモン」はハーブ焼き、忍野産野菜はアリゴやアヒージョで楽しむ。持ち込み(素泊まり)プランの選択も可能。

▼ドームテントのサイトは、富士山の雪解け水が湧く桂川のほとりに建つ。野鳥がたてる水音やさえずり、虫の声なども聞こえる。