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タヒチ観光局、「スローツーリズム」を宣言、量から質へ転換、地域住民が観光開発して経済的利益を配分

タヒチ観光局は、2025年までの5ヵ年計画のなかで、新たに量より質を重視する「スローツーリズム」を推進していくと発表した。サステナビリティへの取り組みはパンデミック前から検討されていが、実際の活動は延期されてきた。現在の計画では、2025年から2027年にかけて実現に向けた具体的な行動を起こしていく。

具体的な柱は4つ。まず、地域住民が観光開発の中心となり、公平な経済的利益を享受できるようにする。各島の状況を考慮したうえで、観光コンテンツの多様化を図り、地域住民へ均等に経済的恩恵を配分していき、生活の質の向上を進めていく。

次に、合意形成を図ったうえで、個々の取り組みを組織的にまとめていく。住民、各島、民間事業者それぞれのアプローチを統一し、観光開発にあたっては、フランス領ポリネシア開発計画(SAGE)のスキームを取り入れていく。

また、持続可能な観光、環境の保護と再生にも取り組む。観光サービスは、フランス領ポリネシアが定めた環境規則に則り、提供される。このなかで、観光が気候変動や新エネルギーへの移行なとで主導的な役割を果たしていき、アクティビティや観光客の分散化、文化や環境の資源に対する共有認識を進めていく。

最後に、地域経済の活性化のために異業種との協力を強化していく。特に、インクルージョン・ツーリズムに注力。また、サプライチェーンの改善で食料自給率やエネルギー供給の向上を進めていく。

このほか、海洋保護のためにクルーズ船の規制も実施。2022年1月現在、観光地ボラボラ島に入港できるのは最大1200人乗りのクルーズ船に制限されている。技術的な問題が生じた場合のみ、3500人以上のクルーズ船の入港が認められる。