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世界旅行ツーリズム協議会、宿泊施設向けに「サステナビリティ検証」できるスキーム開発、達成すべき基礎的な12項目に焦点

世界旅行ツーリズム協議会(WTTC)は、宿泊施設が実行すべきサステナビリティへの取り組みを検証するスキーム「Hotel Sustainability Basics」の提供を始めた。規模に関わらず、全ての施設が最低限取り組むべき共通の基準を示したもの。

WTTCは、プログラムの有効性を確保するために、認証団体Green KeyおよびSGSと提携し、宿泊施設がBasicsに従っているかどうかを確認できる簡素なオンライン検証システムを開発した。

サステナビリティへの取り組みは数多くあるが、このBasicsは、達成可能で最初に取り組むべき12項目に焦点を当て、そのうち8項目を初年度に達成し、3年目までに12項目全ての基準を満たすことを推奨している。

このスキームには、すでにアコー、ルーブル・ホテル、ラディソン・ホテルなど6つのホテルグループが参加している。ラディソン・ホテル・グループは2025年までに世界1100軒のホテル全てにこのBasicsを導入することを決めている。

WTTCは、12項目の基準作りにあたって、世界2万7000件の宿泊施設を調査。ほぼ100%が、少なくとも1項目は実施しており、96%がリネン類の再利用を実施していた。また、半数がプラスティック製のウォーターボトルを廃止していた。

WTTCのジュリア・シンプソンCEOは「ほとんどの宿泊施設は、環境に対する責任を認識しているが、効率的なサステナビリティへの取り組みを実行しているところは少ない。Basicsは、業界のニーズに応え、サステナビリティにおいて公平な競争環境を作るもの」と説明している。

宿泊施設だけでなく、世界の観光局もBasicsの採用を進めている。最初に採用を決めたのはアゼルバイジャン。へリーズ、コロンビア、モーリシャスなども続いている。