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エクスペディアCTO来日、「チャットGPTで旅行予約」の開発加速、世界展開まで数四半期、自然言語で「すべての体験」を提供へ

エクスペディア・グループが、先ごろ連携を開始した「ChatGPT(チャットGPT)」。現在進行している試験運用を経て、アメリカとカナダで運用を開始する。このほど来日した同社のプロダクト&テクノロジー最高技術責任者(CTO)ラティ・マーシー氏が明らかにした。その後、「数四半期中に、グローバル展開をしていく計画」だ。

現時点では、ホテルの空室情報など詳細な予約情報が含まれないものの、今後は旅行予約に関わる情報をインプットしていく。マーシー氏は、「自然言語で、すべての体験を提供できるようにする」と同サービスのさらなる開発に意欲を示した。同時に、パーソナライズ化を進化させていく考えだ。日本を訪れるインバウンド旅行では、旅行者の要望に応じて「AIがアクティビティとしての温泉体験を勧めることもあるだろう」と語った。

同社は、2023年3月、チャットGPTを開発したOpenAIとの連携を開始。アプリのプラグインを構築することで、ユーザーはAIとの対話で旅程を作成することが可能となる。旅行の計画では、約1.2兆件もあるというホテルの検索結果から、AIが旅行者の好みにあった最も適切な選択肢を提示。予約では、価格追跡ツールが、過去の特定商品の価格傾向をマッピングして、旅行者が予約するのに最適な時期を示す。旅行中のトラブルには、AIバーチャルエージェントが旅行者に対応する。

このほか、マーシー氏は同社が進める変革では旅行予約の複数ブランドを共通のプラットフォーム上に集約していることにも言及。今後、保有するデータを共有・活用していく。

右:ブランド部門統括(President) ジョン・ギーゼルマン氏/左:プロダクト&テクノロジー最高技術責任者(CTO)ラティ・マーシー氏