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大阪・関西万博、「行きたい」が急上昇、来場者の満足度は7割超え、行列と費用の不安解消が急務 ―三菱総研調査

三菱総合研究所は、2025年大阪・関西万博の来場意向が高まっており、すでに行った人の満足度が7割を超えたとの調査結果を発表した。開幕後の5月中旬に、日本全国3000名を対象に調査し、開幕前の過去4回の結果と比較・分析したもの。また、5月13日までの来場者500名にも満足度調査を実施した。

京阪神、若者中心に盛り上がり顕著

これによると、万博に「行きたい」(「すでに行った」を含める)人は全国で33.7%。前回調査(2024年10月)の24%から9.7ポイント上昇した。地域別では京阪神圏が前回から15.4ポイント上昇し51.7%となり、首都圏の32.3%(10.3ポイント増)、中京圏の35%(7ポイント増)などを大きく上回り、関心の高さがうかがえる。年代別では20~29歳が41.8%と最も高く、若年層ほど来場意向が強い。

2025年大阪・関西万博への来場意向推移(地域別):発表資料より

一方、意向があるものの、まだ来場していない層に障壁となっていることを尋ねると、「混雑や行列に関する不安」(37%)が最も多く、「チケットの価格が高い」(30.9%)、「会場でお金がいくらかかるか分からない」(24.7%)、「宿泊や交通手段が確保できない・高い」(21.5%)、「いつ行けるか分からない・時間がとれない」(21%)の5項目が2割を超えた。

来場の障壁となっていること:発表資料より

万博きっかけに技術や商品拡充との意識高まる

また、来場者の満足度は全体で73%。「大変満足(26.4%)」の割合をみると、京阪神圏で30.3%と最も高いのに対し、首都圏が21%、中京圏では20%で、10ポイントほど差がある。来場意向と同じく、年代別では20~29歳の満足度が81.9%と高く、30~39歳が71.7%、60~69歳が71.2%で続いた。

万博が今後の社会や人々に与える影響については、「万博をきっかけに新しい技術や商品・サービスが生まれる」(40%)が群を抜いており、そのほかでは「人々の海外の国々への興味・関心が高まる」(26.6%)、「様々な国や企業間で新しい協力や連携が生まれる」(25.2%)などが多かった。

万博が今後の社会や人々に与える影響:発表資料より

こうした結果を受け、三菱総合研究所は「京阪神圏や若年層を中心に盛り上がりを見せていることがうかがえた。今後は、混雑緩和や会場の情報提供を増やして不安を解消することで、より多くの人の来場を後押しできる可能性がある。特に、遠方からの来場者や年代の高い層の不安解消と対策に関する認知向上が課題だ」などと分析。来場者の満足度が7割を超えたことについては「レガシーとして実現するためには、さらなる来場促進とともに、引き続き充実した体験の提供が必要」などとコメントした。